ボランチは米本拓司が湘南ベルマーレへ移籍したものの、鹿島アントラーズからレオ・シルバを獲得。ともにボール奪取や攻撃参加が魅力の昨季Jリーグベストイレブン、稲垣祥とのコンビは新生名古屋の売りの一つとなるだろう。稲垣は今季からチームのキャプテンにも就任している。

タレント揃いの2列目は、新10番のマテウスを筆頭に、相馬勇紀、齋藤学、阿部浩之が健在。さらに、サガン鳥栖からキープレイヤーの一人だった仙頭啓矢が加入した。仙頭は中盤でボールを引き出す能力に長けており、フィッカデンティ体制下では怪我もあり徐々に出場機会を減らしたベテランの阿部とともに攻撃をオーガナイズする役割を担う。

前線には同じくサガン鳥栖からフィジカル能力に優れる酒井宣福を補強。技術と執着心が光る金崎夢生、天才的なセンスを持つ柿谷曜一朗と多様なFWが揃っただけに、2列目を含め試合ごとにどのような組み合わせを採用するのか。ファン・サポーターにとっても毎試合の楽しみとなりそうだ。

なお、本来であれば前線のエース格はヤクブ・シュヴィルツォクだが、こちらは昨年のドーピング検査陽性からいまだ復帰の見通しが立っていない。また、チームは今シーズンの沖縄キャンプでコロナ陽性者が相次ぎ、全体練習を一時中止する事態に。練習試合も予定通りこなせなかったため開幕時点でのチームの仕上がりには不安が残る。

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陣容だけを見れば優勝も狙える名古屋グランパス。記念すべき「30年目のシーズン」を見据えると、丸山の復帰時期、シュヴィルツォクの動向、欧州移籍がささやかれる相馬などがキーポイントになりそうだろうか。

結果を出せるメンバーは揃っているだけに、引き続きコロナ禍の難しいシーズンでその時々の最適解をいかにして見つけられるか。各クラブで様々なチーム状況に直面しながら、それを乗り越えてタイトルを獲得してきた長谷川監督の手腕に注目したい。

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