新たに名古屋グランパスの指揮を執るのは、56歳の長谷川健太氏だ。

清水エスパルス、ガンバ大阪、FC東京という強豪クラブの監督を歴任してきた長谷川氏。どのクラブでも若手を積極的に起用しチームの底上げに寄与してきた。この点は名古屋が監督として招聘するにあたって重要な要素の一つとなったに違いない。

というのも、フィッカデンティ体制下でチームは結果こそ残したが、若手の台頭は非常に限定的だった。近年の名古屋はアカデミーでの育成に力を入れており、2019年にはU-18チームが高円宮杯プレミアリーグWEST優勝やJユースカップ制覇などの実績も残している。

今シーズンも、FW豊田晃大、MF甲田英將、DF吉田温紀という世代別の日本代表歴を持つ逸材たちがトップチームに昇格。彼らをチームの主力に育てていく意味でもフィッカデンティ氏から長谷川氏へのバトンタッチは納得感が強い。

とはいえ、現状はフィッカデンティ氏が築き上げた強固な組織力が名古屋グランパスの一番の武器だといえる。

優勝を狙える陣容が揃った今季の名古屋

最後方には、Jリーグ5年目を迎える守護神ミチェル・ランゲラック。昨季自身初のベストイレブンに輝いた33歳は、今季も信じられないようなゴールストップで豊田スタジアムを沸かせることだろう。

DFラインでは昨年大怪我を負った丸山祐市がまだリハビリ中だが、日本代表としてアジア最終予選の1-2月シリーズを戦った中谷進之介に加え、セレッソ大阪からチアゴを期限付き移籍で獲得。昨季15試合出場で4ゴールを記録した191cmのブラジル人センターバックは得点面でも大いに期待できる。

サイドバックは昨季がベース。左サイドは吉田豊が圧倒的な運動量で攻守に駆け回り、右サイドは成瀬竣平、宮原和也、森下龍矢の実力者3名が引き続きしのぎを削る。