――ここからポジションごとに話していこうと思うんですけれども、GKはここまで上福元選手と若原選手が出場しましたね。

最初は上福元選手が出ていましたが、彼が退場してしまった後で若原選手が急遽出場しました。そこでしっかり結果を残してチームに貢献しています。

ここはチームの力だと思います。それ以外にも太田選手、松原選手、さらにマイケル・ウッド選手が加入しました。

キーパーの層はまあどこよりも厚いという点は感じますね。その中で練習から切磋琢磨して、そしてピッチに立った時はリスペクトして絶対に勝ち点を取っていく…という思いがすごく伝わりますね。

若原選手も万全な状態じゃないと思うんです。テーピングを巻いていますしね。その中でも「チームのために選ばれた以上全力を出す」という意思が強く感じられました。

ピッチに立てるのは1人っていう厳しい世界ですが、誰が出ても戦えるというチームを作っていますね。

――続いてDFに。センター2枚はメンデス選手とアピアタウィア久選手が中心。サイドバックは飯田選手、麻田選手、荻原選手、白井選手らが使い分けられている印象ですね。

高いラインを取って、相手の楔のパスをしっかり潰そうというDFにとっては難しい戦術のなかで、麻田選手が退場してしまったり、カードが増えてしまう部分はありました。

ただ、前線がプレスへ行く動きについていくディフェンダーの力が、攻撃に繋がっていると思います。もちろん「0失点で抑えられたらな…」という試合はあるかもしれませんが、J1のクオリティに慣れることも必要ですし、全てを追いかけ回して90分間保つという戦いをし続けるのは難しいです。

サイドバックの荻原選手、そして白井選手はほとんど出てると思うんですが、圧倒的なスピードを感じられるので、シーズンを通してパフォーマンスを発揮できた時には、さらに成長していると思いますね。攻守ともに楽しみな選手です。

――スピードと言えば、アピアタウィア久選手とメンデス選手もすごいですよね。裏のカバーで。

ピッチで話し合うアピアタウィア久とメンデス
お互い190cmで80kg以上ある体格でスピードを維持していますね。相手のFWはこの2人を背負って、また裏に抜けたら追いかけられる…というのはどれだけスペースがあっても難しい部分ですね。強さと速さを兼ね備えています。

さらに体力も賢さもあるので、戦術として欠かせない2人だなと感じられますね。

――続いてMF。3枚のポジションに川﨑選手、福岡選手、松田選手、武田選手、井上選手らが入っていますね。

この3人の運動量がチームの「エンジン」になっています。前線にプレスへ行くところから、守備になればしっかり戻ってくる。そんな中盤の選手が揃っています。

体格の大きさがあるわけではないですが、足元の技術が高いですし、ボールを動かして、また自分も動いて…ということに関しては、特に武田選手はすごくよく顔を出していると感じます。

また、ビルドアップに参加しながら攻撃でもシュートを打つ川崎選手も含め、曺監督の戦術を理解した中でプレイしているんだな…と感じられますね。

川﨑選手は、安全なパスを出しているわけではないにもかかわらずミスをしませんね。ボールを取られずに前線に運べるキーマンです。

武田選手もすごく顔を出しながらトリッキーなプレーをします。一緒にプレイしてみたら、絶対いい中盤だろうな…と思いますね。僕はFWの目線で見てしまうので(笑)。