第2回を迎えた「原一樹のフットボール研究所」!

清水エスパルス、浦和レッズ、京都サンガ、ギラヴァンツ北九州、カマタマーレ讃岐、ロアッソ熊本、そしておこしやす京都でプレーし、昨年限りで現役を引退された原一樹さんに毎週お話を伺います。

現在は京都に本拠地を置いて活動している原一樹さんが、毎週の京都サンガFCの試合をレビューし、「MY MVP」を選出する連載コーナー。

原一樹さんは先週の京都サンガFCをどう見たのか?(※このコーナーは、FMおとくに86.2 水曜20:30~20:58「フットボールラウンジ」で放送しています)

――まずは、京都サンガの先週の試合結果から振り返ります。3月12日に曺貴裁監督の古巣でもある湘南ベルマーレ戦を戦い、1対1の引き分けで終了しました。前半は0対0で終わり、後半開始直後にピーター・ウタカ選手が先制ゴール。ただその後町野修斗選手に1点を返されて引き分け。終盤には麻田選手の退場もありました。

なかなか厳しい判定の中の試合だったなと思います。それでもしっかりウタカ選手がゴールを取ってくれました。

失点はしてしまいましたが、アウェイで勝点1を取って帰ってきたというところはポジティブなことだと思います。

――前半は京都サンガのシュートはゼロ。その中から勝点1を持って帰れた。選手のメンタル面からしても大きいと思いますか?

やはり勝ちたいっていう気持ちはあったと思いますし、先制したので少し優位に立てた時間もありました。後半のスタートも良かったですしね。ただ最後は麻田選手が退場してしまった中で、湘南の怒涛の攻撃を守りきれた。大きな勝点1だと思います。

――後半開始時の京都サンガは何が良くなったんですか?

全体のスピードアップが早くなりましたね。また荻原選手の速さは大きな武器だなと思いますね。スイッチの入れ方や加速力がちょっと違います。そこはサンガの武器だなと感じました。

サイドだけではなく中央に来て、1対1になった後もシュートを撃てます。勢いを感じますし、さらにあそこを決めきれる選手になってほしいなと思います。

――ウタカ選手のゴールを解説していただいてもいいですか?

【動画】ピーター・ウタカ選手が後半開始直後に決めた「股抜きゴール」

武富孝介選手とウタカ選手の「ホットライン」ができているのかなと思うほど、素晴らしいボールからの素晴らしいファーストタッチでした。セカンドタッチの時には少しスピードを落として、おそらく左足でシュートを打つというイメージができていましたね。

ゴールキーパーの股の間を抜けたのはラッキーな形かなと思いましたが、あそこまでの運びは「シュートを打つために」という形を取れています。本当にすごい、サンガにとっては貴重なストライカーだなと感じましたね。もしあれが狙い通りのシュートでしたら、僕の5~6段階上なんだなと(笑)

――いやいやいや(笑)。でも「撃ってみなきゃ何も起こらない」という証明でもありますよね。

そうですね。あそこでシュートまで持っていけるスピードアップ。2タッチ目が大きくなってしまうとか、自分が思ったところにボールを置けなくてディフェンスに取られてしまう…というシーンをよく見ますが、ウタカ選手はシュートにしっかり持っていける。自分の思った足で撃てる。それがゴールを量産できる秘訣なんだろうなと感じますね。