ヨーロッパ→アジアにどう対応するか。「間合いを変える」
――大邱FCでの鈴木選手のプレーを何試合か見たのですが、よく走って献身的なプレーが印象的でした。もともとそういうプレースタイルだったんですか?
いや、厳しい環境がそうさせたと思います。もともと高校のときはトップ下で攻撃しかやってなかったのですが、モンテネグロに行って何が自分に足りないんだろうと考えたときに、やはり献身性が1番自分に足りないと思ったので、意識して取り組みました。それが今は強みになっていると思います。
――自分がチームの犠牲になれないと生き残れない世界だったのですね。
僕はプロカテゴリーに入ると特別上手い選手じゃないので、そういうところで自分を表現していかなくちゃいけないと思います。
――モンテネグロで6年間プレーした後に大邱FCに移籍しました。どうして韓国に行くことになったのでしょうか?
モンテネグロに6年間いて、昨シーズンはヨーロッパカンファレスリーグに出場したというのもあり、タイミング的に今だなと思いました。モンテネグロ最後のシーズンのパフォーマンスがかなり良かったので、どれくらい自分が通用するのか、確認を含めて進路を選びました。一応、ヨーロッパのチームからも少し声をかけてもらったのですが、大邱はACLに出場できるチャンスがあって、サポーターが熱いと聞いていましたし、新しいチャレンジとして韓国行きを決めました。
――Kリーグでプレーする前と、実際にプレーしてみてのギャップはありますか?
ギャップはそんなになかったですね。僕はKリーグをリスペクトしているので、だからこそ想像した通りだなと。モンテネグロのプロカテゴリーで丸4年くらいプレーしているので、自分だったらやれるだろうとはずっと思っていました。
――Kリーグや韓国サッカーに対して、もともとどういった印象を持っていましたか?
韓国はヨーロッパと近いフィジカルや対人の強さを求められるだろうと思っていましたが、やはり想像通りでした。走るところは走らなければいけないし、大邱のスタイルは休む時間がないので、90分戦い続けるサッカーなんだということは事前に知っていました。モンテネグロのサッカーとはスピード感が違うので、最初は練習から速いなっていうのはありました。でも何試合か出させてもらってからは慣れてきて自分の感覚も良くなってきているので、ぜんぜんやれるんだなと感じました。
――速いというのは、寄せのスピードですか?
寄せのスピードが速いです。アジア人とヨーロッパ人の違いって、半径1〜2mのスピードだと思っています。モンテネグロの選手は俊敏性が韓国人選手よりはないので、僕はモンテネグロでは俊敏性で有利に立てたのですが、韓国人選手は俊敏性も兼ね備えていてちょっとタイプが違いました。そこで少し間合いなどを変えなければいけないと思いました。