等々力から始まった、サッカーと陸上の新たな関係性
2010年には3万5千人規模へと全面改修する方針が固まっていた等々力陸上競技場だが、あくまで陸上競技場としての整備。
計画に基づき、2012年から2015年にかけての第一期整備ではメインスタンドが建て替えられ、サイドスタンドとバックスタンドを改修する第二期整備も2017年のシーズンオフ以降に予定されていた。
しかし、東京オリンピック・パラリンピック開催による工事費の高騰もあり、第二期整備はなかなか進展せず。2017年5月にようやく川崎市が等々力陸上競技場を増改築するための基本方針案を発表したあとも大きな動きはなかった。
そうした中、川崎フロンターレは2017シーズンに悲願の初優勝を飾ると、翌年もリーグを制して連覇を達成。川崎市におけるフロンターレの存在が変化していく中で行われた東急の民間提案により、“風向き”が大きく変わったと言える。
等々力の専用スタジアム化における課題の一つであった陸上競技団体との調整においても、隣接する補助競技場の陸上トラックにメインスタンドとバックスタンドを新設する形で陸上競技場化する方針が示された。
これにより、日本陸連が主催する全国規模および国際的な大会を開催できる「第1種公認競技場」は等々力緑地からなくなってしまうが、より小規模の大会を開催しやすい、競技団体や選手らにとっては手頃な陸上競技場が誕生することになる(※現状の等々力陸上競技場は、Jリーグ規格のスタジアムが市内に他にないためどうしても川崎フロンターレの試合開催が優先されてしまう)
川崎フロンターレも先日、今季のホーム最終戦となる10月29日のヴィッセル神戸戦において、新感覚の陸上コラボイベント「Rick&Joe」を開催。オリンピアンを含む陸上競技のトップアスリートが多数参加し、陸上の専門メディアが取材に訪れるほど大盛況のイベントとなった。
石川周平選手のハイハードルに大きなどよめきが起きました!#frontale https://t.co/POhKuQ1HOy pic.twitter.com/DbqoR19Bwj
— 月陸Online/月刊陸上競技 (@Getsuriku) October 29, 2022
昨日の神戸戦「陸上トラックの正しい使い方」をして盛り上がった始球式。おそらく始球式史上、最も長時間でした。そんな始球式にご協力頂いた、駒澤大学の大八木弘明監督、元青山大学駅伝部の神林勇太選手からのコメント動画です!!
箱根駅伝のレジェンドを目の前に、我々も大興奮!!
【広報】#frontale pic.twitter.com/V57fMGbPMK
— 川崎フロンターレ (@frontale_staff) October 30, 2022
これまでは対立構造が話題となりがちだったサッカーと陸上だが、川崎では新たなつながり、絆が生まれつつある。