選手たちに警告したい。全てをチェックしろ。アドバイザーたちが法に則っているかを。そうしていなければ、「ワイルドウエスト」だ。
セカンドオピニオンを得るのと同じように独立した人間だちに監査してもらえ。
俺は何もかもやってもらえる時代の選手として育った。全ての請求書。どこでプレーしていても、クラブが全部やってくれた。
それは間違っている。それだとあまりに脆弱になる。
(所属)クラブはいつかはなくなってしまうので、選手が自分で責任を持つことはいいことさ。
引退してもまだ若い。そうなった時に誰が金を払ってくれるのか。サバイバル術を学ばなくてはいけない。現実世界を生きなくてはいけない。
ノリッジでプレーし始めた若手時代、一番怖いのは金だった。いつも警戒していた。
大金はあるがキャリアはないという結末にはなりたくなかった。キャリアを続けられるなら、金なんてくれてやると。
金は悪だと思ってた。ハングリーさを失くすほどまで気をそらされる。トップになりたいという野心まで削がれると。
自分が追い求めたものは、誰もが成功と感じるものではなかった。そういうものは追い求めなかった。
いいものをもつことは素敵だが、意味はない。そのために目を覚ますことはない。いいものを追い求めるために起きるのではない。
自分が金を持っていると思ったことはないんだ。いいものを手にできたが、そこに興奮はなかった。
実際には(金は)人に利用される嫌なものだと感じていた。
どこに行っても、吹っ掛けられる。どこにいっても、ぼったくられる。
人々はこう思ってるのさ。『関係ねぇ、彼はたんまり持ってるんだから、気付かねぇだろ』ってね。歩く現金自動支払機だと思われてる。
助けを求められた時に断るのに罪悪感を感じていたので、断ることは一切しなかった。
いま彼らから呼び出されることはない。連絡もない。立ち直るのを助けた人間もいるし、一緒に暮らしてたやつもいる。で、そいつにぼったくられた。親友だったのにね。
いまじゃ正気とは思えないが、サッカー選手になるのに必死だったガキには、この考えは理にかなっているように思えた。自分はサッカー選手のキャリアに集中して、金のことは信頼する人間に任せるってね。
俺はこう言っていたんだ。『俺がサッカーをやめる時まで、サッカーは俺に任せろ。他はあんたに任せる』と。で、それはうまくいかなかった。俺にとってはね。
薬物も酒もギャンブルもやらなかったのに破産…悪童ベラミー、悪友らに“歩くATM”扱いされ財産喪失
Text by 井上大輔(編集部)
神奈川県出身。もともとは野球小僧だったが、1998年W杯をきっかけにサッカーにも熱中。ウイイレなどのサッカーゲームにも、ドはまりした。好きなリーグはよく見ていたリーガ・エスパニョーラ。
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