「1vs1、PK、で、賭けになる。プレー100、GKに200、PKキッカーに300…。
今の子たちには、ゲームとしてプレーを楽しむように言っている。金が発生したら、話は別だからね。
プロサッカー選手はある種の商品であり、誰かのものだが、ヒスパニック地区でも似たようなものだ。
自分の“銀”のためにシュートする。そいつは自分の“銀”のために。他の人間、“重い”人間のために。
ギャングのリーダーがやってきて、『俺のためにPKを蹴れ』と言う。ノーとは言えないだろう。
勝てば金がもらえるし、俺には食事が必要な兄弟がいる。
ボールを置く、小さなゴールで人々が邪魔をしている。キーパーがこっちを見てる。そして、こう考える。もしゴールしたら、1週間食っていける。もし失敗したら…と」。
アビラが、殺されたり、刑務所に入れられたりした友人について語る瞬間がある。今のほうが貧困や犯罪がひどいエンパルメは「ボールよりも銃を手にする方が簡単」な場所だった。
憐れみはなく、騒々しく暖かい仲間たち。フアン・ロマン・リケルメとトニ・クロースがアイドルだったという彼は「俺には全く合ってなかった」と笑う。
「自分を恥じたことはない」というが、それは後悔がないというわけではない。
彼の人間性は、貧しさのなかでの強さと決意で作られた。食べ物を無駄にしたり、水道を出しっぱなしにするのはありえない。
父親は中毒の問題を抱えており、やがて母親の“腹痛”は子供たちにわずかな食料しか与えられない口実だったことを理解した。
10歳で初タトゥーを自彫り、15歳で結婚…レアルと闘うオサスナFWアビラの生い立ちが壮絶すぎる
Text by 井上大輔(編集部)
神奈川県出身。もともとは野球小僧だったが、1998年W杯をきっかけにサッカーにも熱中。ウイイレなどのサッカーゲームにも、ドはまりした。好きなリーグはよく見ていたリーガ・エスパニョーラ。
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