また、女子選手の大部分が、生理学的な違いが考慮されていない男子用のスパイクを履いていることも懸念点となっているようだ。
Nikeなどのスパイクブランドはその点を研究しており、ECA(欧州クラブ協会)も女性特有の怪我に関する調査を行っている。
プテラスは『FIFPro』のインタビューで、要因はひとつではないとしつつ、「女子選手がサッカー界でプロになり始めたのは比較的最近のこと。女子選手や女子アスリートの身体について、このような研究を行い、より詳しく知る時間はほとんどなかった。男性と違う身体であることは明らか」と指摘している。
また、女子選手の選手層は男子に比べると著しく薄いため、エリート選手たちがより高い割合で多くの試合に出場しなければならず、それが怪我のリスクを高める一因になっているようだ。
イングランド女子代表ベス・ミードは、前十字靭帯を損傷するまでの2か月間で計16試合に出場していた。
女子サッカー界には若い才能を育てたクラブに対する補償がないという問題もあるとのこと。男子は16歳でプロ契約を結ぶことが可能で、移籍した場合は違約金が発生するが、そもそも女子は18歳までプロ契約ができない。
ブラックバーンは育成したイングランド女子代表3人をマンチェスター・シティに引き抜かれたが、自前の才能を育てる金銭的なインセンティブはほぼないそう。
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(英国での)スカウトシステムも男子と比べると遅れており、数えきれないほどの才能が見過ごされた結果、選手層が薄くなり、最高レベルでプレーする選手へのプレッシャーが強まっているとのこと。