では、未勝利だった頃とはいったい何が変わったのか。

Jリーグ公式データサービス「J STATS」からデータの提供を受け、今季初勝利を挙げた第12節のジュビロ磐田戦(3-2)前までと、大宮戦後の現在のチームスタッツを比較してみた。

  • ゴール 0.5(22位)→0.9(17位)
  • ドリブル 14.4(3位)→13.7(3位)
  • クロス 15.0(13位)→13.4(18位)
  • パス 521.6(5位)→491.1(8位)
  • インターセプト 1.3(15位)→1.4(13位)
  • クリア 20.8(18位)→23.6(11位)
  • タックル 19.4(8位)→18.9(8位)
  • シュート 8.0(15位)→7.9(19位)

※試合平均値。括弧内はリーグ内の順位

「ゴール」は当然増え、「ドリブル」「クロス」「パス」は減少。データ的に明らかに変化が感じられるが、なかでも面白いのが「クリア」の数。磐田戦前までは20.8回だったが、大宮戦後は23.6回に増えているのだ。

開幕からラバイン監督の目指すサッカーを実現するため、ビルドアップの質にこだわってきた徳島。うまくいかなければやり直すことも多く、得点するために必要な前への意識が足りない場面が目立っていた。

しかし選手たちが徐々に今のやり方に慣れてきたうえ、ここ数試合はメンバーをある程度固定。ビルドアップを重視する徳島に対して相手が前から来る力を利用し、意図的に長いボールを使うことが増えている。

どういった状況ならロングパスを狙うのか、あるいは割り切って蹴りだしてもいいのか。そこの判断の精度がチームとして上がってきた印象だ。