僕がクリスタルに行った時、(ノルベルト・)アラウホという選手がチームメイトにいたんですね。アルゼンチンは多分3人くらいいましたかね。ウルグアイ人もいましたし、帰化選手もいてもうペルー代表で出ていました。
その中のアラウホというのはやっぱりアルゼンチンではあまり日の目を浴びない、そんなに評価も高くはなく2部リーグでのプレーヤーというイメージがあり、給料も低かったんです。
それがペルーで頑張って評価され、次に行くチームでは給料も上がり、良い家や車も与えられステップアップしていきました。彼がもしアルゼンチンにこだわってプレーを続けていたら、途中で他の仕事を選んでいたかもしれませんね。
だけどペルーで頑張って、その後にエクアドルでしたかね(※後にエクアドル代表へ帰化)、リーガ・デ・キトかなんかに移籍して。クラブワールドカップでマンチェスター・ユナイテッドとも試合をしましたよね。
「夢を買う」じゃないですけど、アルゼンチン人がペルーやエクアドルへ行ってみたいなのが結構あります。僕もでしたがアルゼンチンの2部でやるよりやはり多くの観客にみてもらえますし、給料のほかに車や家を用意してもらったり、競争の激しいアルゼンチンよりは落ち着いてチャンスをくれるし気候も暖かいし環境も良いイメージがあります。
アジアと違うのは、国内にもチーム数が多いですし、世界的にも結果を出しているアルゼンチン、ブラジルに対しても言葉の障害がありません。それぞれの国の好むツボは違いますが、それぞれの国に順応しながらプレーすることで、違った評価をしてもらえたら給料の良いメキシコに行けたりと再チャンスをもらえる受け皿があるのも、また南米の面白いところですかねえ。
あと日系の企業もペルーには多くて、だからお手伝いしてくれる方がいて。日本の企業とそこの企業にお手伝いしてもらって、泊まるところとか色んなことも探してもらって、テストで連れて行ってもらったというのが(スポルティング・クリスタル加入の)経緯なんですよね。
そういえばダビド・ソリアという帝京高校で交換留学生として日本の高校サッカーでプレーしていた選手もチームメイトにいました(※日本名は吉成大)。
※今季のコパ・リベルタドーレスにも出場しているスポルティング・クリスタル。アリアンサ・リマ、ウニベルシタリオとともに首都リマで「3強」を形成する。