「ブレなすぎた」おこしやす京都ACの苦悩

今シーズンを前に、かつてU-17日本代表を率いてワールドカップを戦った吉武博文氏を新監督に迎えたおこしやす京都AC。チーム内にも大きな変革が断行され、選手は全員がクラブの社員兼任プレーヤーとして雇用されることになった。

営業活動や普及などに従事しながらサッカー選手としてのキャリアを追求するという「デュアルキャリア」のチームとして生まれ変わり、20人の少数精鋭でシーズンに臨んだ。

その環境も生かして地域リーグでは異例の長期キャンプを行い、3月5日に行われた京都FAカップがトレーニングマッチを含めても初の対外試合となった。

この試合では京都府リーグのウラノスを相手に3-0で勝利を収めたものの、前半はノーゴールと苦戦した。

既存の選手についてはポジションをシャッフルし、昨季センターバックだった西村洋平をウイングやウイングバックに起用したほか、本来サイドバックの大原彰輝もアタッカーとして出場。

一方阪南大学でストライカーを務めていた康起甫(カン・キボ)を3バックの中央にコンバートし、いわゆる「全員守備全員攻撃、ポジションレスのポゼッションサッカー」を追求した。しかし、その中でシーズンを通して課題は明白なものになった。ボールは繋がるがいい形でシュートに持ち込めず、逆にカウンターから失点を喫する。

その状況は開幕から最終節まで打開することができず、この守山侍2000との試合でも変化を生み出すことができなかった。

おこしやす京都ACはこのあと京都府の代表として国民体育大会に臨む他、10月から開幕する「The KSLアストエンジカップ」という大会に出場する。そこで新たな姿を見せることができるのか、1年での昇格を視野に入れてどのようなサッカーを繰り広げるのか、注目となる。