一太刀浴びせた守山侍。元京都サンガの天才と流経大黄金世代のFW

そして、おこしやす京都ACを破って1部残留を決めたのが滋賀県の守山市に本拠地を置いている守山侍2000。

関西サッカーリーグに初昇格してから2年目のシーズンであるが、群雄割拠のコンペティションで確かな実力を発揮している。今季はJFL昇格に繋がる全国社会人サッカー選手権大会(通称『全社』)にも初出場する(以前出場権を獲得した際は大会自体が中止になったため)。

今回の試合で決勝点を決めた三田尻知輝(みたじりともき)は、1999年生まれの23歳。守山北高校から流通経済大学に進んだストライカーである。

この年代は満田誠や仙波大志(ともにサンフレッチェ広島)や佐々木旭(川崎フロンターレ)、安居海渡、宮本優太(ともに浦和レッズ)、佐藤響(京都サンガFC)など、12名ものJリーガーを産んだ「流経大黄金世代」。同じ守山侍に所属している藤田昂陽も同級生であり、彼らは群雄割拠の大学サッカーを過ごした選手である。

ルーキーイヤーに8ゴールを決めて得点ランキング2位となったものの、今季はこの試合を含めて4ゴール。苦戦のなかでチームを救ったエースの三田尻は以下のように話していた。

三田尻知輝

「『今日決めなかったらいつ決めるんだ』というところでした。自分のゴールでチームを勝たせたかった。そう言い聞かせて試合に入りました。伊藤優汰選手はJリーグでもやっていた選手なので、あそこに絶対クロスが入ってくると思っていました。あとは飛び込むだけでした。優汰くんに感謝です。

昨季と今季でそれほど違いはないんですが、相手のディフェンダーからのプレスも強くなりましたし、潰される場面も多かったんです。そこで打開できればよかったんですが、苦しんだシーズンでした。

このあとは全社がありますが、守山侍は守山侍らしく全国でどこまでいけるかチャレンジしたいです。一戦一戦頑張っていきます」

また、そのゴールをアシストしたのは伊藤優汰。かつて京都サンガFCでデビューし、アルビレックス新潟やカターレ富山でJリーグを戦ったアタッカーである。

プロとしての生活には見切りをつけたものの、指導者としての活動と並行して昨年守山侍2000でピッチに復帰。この試合では慣れ親しんだたけびしスタジアム(旧西京極陸上競技場)で、1000人近くのファンの前で確かな技術を披露した。

伊藤優汰

「お互いに負けたら終わりという試合で、意地と意地のぶつかり合いでした。技術のところは置いておいて、これだけ入ったお客さんに熱い試合が見せられたのはよかったですね。西京極では去年も1試合やらせてもらったんですけど、自分の中でも本当に思い入れのあるピッチなので、ここで勝ててよかったです。

いいプレーもありましたが、体力的にはかなりしんどいですね(笑)。現役時代からすれば半分以下になっていますけど、そのなかでチームメイトが助けてくれて、よく体を張ってくれました。

降格して全社に行くよりは、残って、一致団結して出場できるのはいいですね。全国でもサムライらしさを見せて頑張ります」

守山侍2000が出場する全国社会人サッカー選手権大会は10月21日に佐賀県で開幕するトーナメントで、5日間で最大5試合を行うという「世界で最も過酷な大会」である。4位以内に入れば、JFL昇格に繋がる地域サッカーチャンピオンズリーグへの出場権が獲得できる。

もし守山侍2000を含めた関西リーグのクラブが2チーム昇格すれば、おこしやす京都ACは繰り上げで1部に復帰することができる。そのため次は関西の関係者全員が彼らを応援することになるだろう。ちなみに守山侍2000の初戦の相手はあの間瀬秀一監督率いるFC WYVERNである。

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守山侍2000は現在その大会に向けて活動資金の寄付や支援を求めており、SNSなどで呼びかけを行っている。お問い合わせはクラブ公式サイトまで。

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