山形で成長した感覚
これまで川崎でリーグ戦に通算34試合出場したが、先発出場は2シーズンで7試合と満足できるものではなかった。今季は長崎でリーグ戦先発9試合、山形で先発6試合と計15試合に先発で出場できた。J2で武者修行したからこそ、新たにつかんだ感覚や学びがあった。
――山形の雰囲気はいかがでしたか。
自分が来たときは、順位は中間あたりに位置していました。それでも戦い方が安定というかプレースタイルは変えずに、ずっと山形のプレースタイルがあって、その中で勝ち負けを繰り返していました。
あとは自分が入ってなにかが変わるか、そういうきっかけがありさえすれば、PO圏内に入ることが可能だと思いました。僕が来たときは残り14試合だったので、自動昇格争いもできるかなと思っていました。自分のケガもあってそれは叶わなかったですが、最終節までの自動昇格圏内との勝点差も考えれば、自分がいたらいい戦いはできてたな思うので、そういう部分では悔しかったですね。
――今季山形で過ごして成長した部分を教えてください。
山形だけじゃなくて、数は少ないですけど、長崎でもスタメンで出る日はあった。川崎のときはスタメンで出る機会が少なすぎて、自分がどこまでできるのか、スタメンで出るときの自分のプレーの改善部分が分からなかった。
フロンターレの時は大外に張ってからしかけることがほとんどで、ゴールに近いエリアや中寄りで受ける場面が少なくて、自分としてはそれに少し違和感というか、やりづらさを感じていました。山形でゴールに近い所でプレーすることによって、自分の特徴は大外に張ってしかけることもそうですけど、「ゴールの近くでプレーすることなんだな」と改めて気づくことができました。
6得点しか決めてないですけど、決められそうという感覚はすごく強まった。そういう部分ではスタメンで出ることの大事さを知りましたし、よりスタメンで出たいなというものがあります。スタメンで出る部分での成長はいろいろと感じていますね。
――課題はありましたか。
90分間持たせる走力や、守備での貢献ですね。そういう部分は課題として残っています。自分が出たら得点を取らないといけなかったので、最低2試合に1点ぐらいは取らないと駄目だったのかなと思います。
――山形ではMF泉柊椰(とおや)選手と、左サイドに優秀なウインガーが揃っています。ポジション争いの方はいかがでしたか。
自分のプレーを出せば勝っていけるというところがありました。いわき戦があまりいいプレーができなかったので、最終節は途中出場になってしまいました。スタメンで出続けるには毎試合、毎試合最高のパフォーマンスをしないと、いい選手がいたら確実に代わってしまう。そういう経験をできたと思います。