エンドリッキが生まれたのは首都ブラジリア近郊の街。ブラジリア自体は国内で最も高い生活水準にあるが、その周辺は暴力と貧困がはびこり、彼と両親もその環境下で暮らしてきたという。
父ドウグラスさんはこう話している。
「私はとても複雑で難しい子供時代を過ごした。ブラジリアにやってきた直後は2人の姉と孤児院で半年暮らした。
父は母を捨てたが、母には家も仕事もなかったので、私たちは孤児院で暮らすしかなかった。
(プロサッカー選手としてキャリアを築こうとするも成功はできず。サンパウロに行くために)
リュックにジュースと水のペットボトル2本を持ってバスに乗った後はヒッチハイクをした。
サンパウロに着いたのは1年で最も寒い日のひとつでね。
路上で寝ていたら、女性に肩を叩かれて、凍死しないようにホステルで寝ることを誘われた」
エンドリッキ自身は父のような経験はしていないものの、排除されている側の人達を思う気持ちがあるようだ。
彼は「5つの言語を学ぶという目標を立てている。そのうちのひとつは全く違うものさ、僕にとってとても大事なものになるだろうからね。手話を学びたいんだ。全ての人とつながりたい。喋ることができない人や耳が聞こえない人とも話したいんだ」とも話している。