「誰よりもあの悔しさを忘れずに挑む」
この試合で決勝ゴールを決めた鈴木大誠は、自身の得点で鹿島アントラーズとの試合が決まったことに興奮を隠さなかった。
「去年の天皇杯では鹿島アントラーズへの挑戦権を逃していますからね。それを取れたことへの…なんかこう、やるぞという感じというか、闘志が湧き上がるというか、ワクワク感がもう今からありますね。
まだこれからリーグ戦もありますけど、チーム状態も上向きですし。そこで来週はFC大阪とやれますし、その後は今年調子を上げているSC相模原とやれる。
そこにさらに鹿島アントラーズとの試合が入ってくる。チームがこれからもっと上に行くんだとなっているときに、その流れをさらに上向きにしてくれるような対戦相手が続くので、楽しみですね。
ただ、鹿島戦についてはその前に考えるので(笑)。まずは来週の生駒山ダービーですね。
FC大阪には、開幕前にこのロートフィールド奈良でやったプレシーズンマッチで散々な負け方をしてしまったので…その悔しさはちょっと忘れられないです。
選手の誰よりも、あるいはサポーターの誰よりもオレはあの悔しさを忘れてないんだ…という姿勢で臨みたいですね」
また、キャプテンマークを巻いてこの試合に出場した小谷祐喜は、ルヴァンカップで0-6と敗れたサンフレッチェ広島戦も踏まえて以下のように話していた。
「僕たちはルヴァンカップでJ1の広島相手にかなり面食らったというか、J1の力を見せつけられてしまった。その反省も生かして、J1の相手にもう一回自分たちの全力を尽くして挑めるというのは…すごく成長につながる試合だと思いますし、今日の逆転勝利で勢いも出たと思うので、しっかり戦いたいです。
広島戦は1試合を通してアグレッシブさを出し続けられなかった。前半はいいゲームができましたが、後半は勢いに飲まれてしまった。
攻撃の時間帯も守備の時間帯もあると思うんですけど、リーグ戦でもやっているようなアグレッシブな姿勢で取り組むというのは、どんな相手にでもやっていきたいです。
今日の試合の経験も生きると思います。特に後半は本当にみんなが一つになってチームとして戦えたので、このあとのJ3でも続けていきたいです」
そしてこの試合で貴重な1点目を決めて逆転の足がかりを作った西田恵は以下のように話し、生駒山ダービーや鹿島アントラーズ戦に向けての思いを語った。
「正直やってみないとわからない部分はあると思いますけど、同じ人間ですしね。カテゴリは違いますけど、だからこそ僕たちは失うものはないですし。
まずはリーグ戦がありますし、それが僕たちには大事です。その先にある鹿島アントラーズ戦はチャレンジャー精神をもって戦います。
繰り返しになりますけど失うものはなにもないので、今の全力を出して、どれだけ通用するのか、自分が何ができるのか、いろんなことを試せるいい機会だと思いますし、その先に勝利があるといいですね。
(リーグ戦といえば次はFC大阪とのダービー。サポーターからはかなり熱いバナーが出ていましたね)
そうですね!ダービーに勝つぞという気持ちはもちろんあります。長いリーグ戦の中の1試合であることには変わりはないという点もありますし、目の前の毎試合を勝つために毎週準備をしていますけど、その中でみんなが燃え上がる、モチベーションになるゲームだと思います。
去年はアウェイで勝って、逆にホームで負けてしまったので、今年は両方白星で終えられるように、来週は勝ちたいと思います」
奈良クラブ、天皇杯で「2失点から3ゴールの大逆転勝利」。土壇場の劇的ヘッドを生んだ“成熟”の価値
苦戦の末に鹿島アントラーズへの挑戦権を獲得した奈良クラブ。ただ逆転勝利による上昇気流を捕まえられた雰囲気もあり、ここからの重要な試合にいい流れをもって臨めそうだ。
サポーターによる盛り上げがあった生駒山ダービーは6月2日の午後4時から東大阪市の花園ラグビー場第1グラウンドでキックオフされる予定だ。