「自分に対して一番本気だった」ヴェルディへ
――東京ヴェルディの選手プロフィールを拝見したところ、「サッカー人生で印象に残っている悔しかったこと」として、京都サンガF.C.でプロになってからの2年間を挙げられていました。当時なかなか試合に出られない中で、どういったことを考えながら日々プレーされていました?
プロ1年目はもう何も考えなかったというか、練習しながらも全然やっている感覚もなかったです。いま思うと腐ってはいないですけど、サッカーに対して、現在と比べて熱が入っていなかったなという感覚があります。
プロ2年目になってクラブの体制が変わり、新しく入ってきたいろいろな指導者に出会って、その年は試合には出られなかったですけど、一番充実した年になりました。
もう生活からガラッと変わったので。プロ2年目は1年目と全く違う性格になって、24時間サッカーのことだけを考えるような生活になりました。もうすごく楽しかったです。
一番「一瞬で終わった年」でした。試合に出ていないですけど、一番やった感というか、一番成長したと感じられた一年になりました。その一年はすごく大きかったなと思います。
――曺貴裁監督が就任し、12年ぶりの昇格を成し遂げて2年間J1でプレーされました。そして今シーズン、昇格したばかりの東京ヴェルディへ期限付き移籍。オリンピックイヤーということもあり、大きな決断だったのではと思います。決断した理由を改めて教えてください。
去年の夏にちょっと(ヴェルディから)声がかかって、そのときは「今年1年は京都でやります」と断ってしまったんですけど、今年に入るときに再度声をかけていただきました。
強化部長の江尻(篤彦)さんや城福(浩)監督とオンラインで話したりしたのですが、自分に対して一番本気だったというか。「こういうサッカーをしたい。そこにお前が必要だ」みたいにすごく熱く話してくれて。「ここだったらもう一個成長できるな」と感じて決めました。
――移籍が発表されたのが昨年末の12月26日。その2日後に木村勇大選手も同じく京都サンガF.C.から東京ヴェルディへの期限付き移籍が発表されました。それは事前に何か聞いたりとかは?
勇大とは連絡を取っていたので、お互い知っていました。
――木村勇大選手も今シーズン、ヴェルディで二桁ゴールを挙げるなど結果を残しています。木村選手は山田選手から見てどんな選手ですか?
裏にボールを出しても足が速いですし、ダイナミックで重戦車みたいな突進もできますし、足もとに預ければ相手を背負うこともできます。FWとしてはかなり万能だと感じています。
それで今年10点、二桁ゴールを取っているので、“ザ・ストライカー”というより、何でもできるFWだなと思います。
独特とも言えるフリーキックや、バックアップメンバーとして掴んだパリ五輪出場、プレーの根幹にある「魅せる」部分、さらには自身のサッカー人生に影響を与えたというトッテナムのスウェーデン代表MFクルゼフスキなどについても聞いた山田楓喜へのインタビュー後編は、11月24日(日)に配信予定。こちらもお楽しみに!