最終成績

2位:19勝8敗11分、得点72/失点43(+29)

スターティングイレブン

チーム内 MVP

加藤陸次樹

シーズンベストバウト

32節 サンフレッチェ広島 vs FC町田ゼルビア

シーズンベストゴール

27節 名古屋グランパス戦 加藤陸次樹

総評

ミヒャエル・スキッベ監督が率いて3年目。優勝を追い求めたシーズンは惜しくも2位という結果に終わりました。

しかしサンフレッチェ広島サポーターにとって、忘れる事などできないシーズンだったはずです。

新スタジアム元年、川村拓夢、大橋祐紀、野津田岳人の移籍、川辺駿の復帰に、柏好文の退団、そして青山敏弘の引退。

最後までサンフレッチェ広島らしく決して折れない信念の下、72回ものゴールネットを揺らし優勝争いを繰り広げたシーズンでした。

サンフレッチェ広島に関わる全ての人が待ち望んだ新スタジアム、エディオンピースウイング広島のJリーグ開幕戦は浦和レッズでした。

スキッベ・サンフレッチェらしく、ボールに襲いかかるプレッシングでエディオンピースウイング広島で快勝を収めました。「今シーズンもサンフレッチェ広島は強い」とリーグに示した試合だったと思います。

しかしここから試練が待っていました。1節~14節の間で4勝2敗7分。劇的な引き分けはあれど、勝ち切れない試合が多く続いてしまいます。

シュートを打てども打てども、中々ゴールネットを揺らせないことに選手たちも焦りを募らせていたと思います。そしてそれがフィニッシュの精度に影響していたのは間違いないでしょう。

そして迎えた15節の京都サンガF.C.戦。これまでの鬱憤を晴らすかのように5ゴールを奪って快勝を収めました。スタートメンバーを少し変更しながら、抜擢された選手たちが躍動していきます。

新井直人と松本泰志はこの試合をキッカケに躍進を遂げることとなります。特に松本泰志の成長曲線は目を見張るものがありました。

ここから快進撃を続けていたのですが川村拓夢、野津田岳人、大橋祐紀の移籍が決まります。チームの中心として中盤を支え続けた川村拓夢とゴールゲッターとして大活躍をしていた大橋祐紀の移籍はチームにとっても痛かったと思います。

しかしそれでもサンフレッチェ広島は決して折れません。川辺駿の復帰とトルガイ・アルスランの加入はサンフレッチェ広島に新たな世界を見せてくれました。

縦に早く、トランジションを多く発生させて、フルパワーで闘い抜くチームから、しっかりと保持を作り出しながら、試合テンポをコントロールできる大人なチームになりました。

大人になったサンフレッチェ広島は天皇杯いわきFC戦を皮切りに公式戦10連勝。過密日程をもろともしない選手たちの逞しさに感銘を受けました。

それでもやはり選手たちも人間。スキッベ監督の信条として「全力で全部勝ちにいく」があり、あまりターンオーバーをせず闘い抜いたツケが回ってくることになります。

ルヴァンカップと天皇杯のタイトルを失うことになりました。さすがのサンフレッチェ広島も疲弊していたに違いありません。

2つのタイトルを失った時期でしたが、気が付けばリーグ優勝に手が届くところまできていました。そして31節の横浜F・マリノスと32節の町田ゼルビアに快勝して、首位に立ちます。

特に32節の町田ゼルビア戦の闘いっぷりはまさに「強者のそれ」でした。ほぼ何もさせずに勝ち切ったことで自信が深まった一戦でした。

しかし「追う立場」から「追われる立場」の見えないプレッシャーは計り知れません。

ACL2では順調に勝利を収めるものの、リーグ戦では3連敗。「青山敏弘の引退」も頭によぎっていた事でしょう。まだまだ若いチームです。色んなプレッシャーと向き合い闘い抜いていました。

さまざまなことがあった、いやあり過ぎたシーズンでしたが、2位フィニッシュを果たしたサンフレッチェ広島。

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優勝こそ果たせませんでしたが、72ものゴールを奪い、攻撃を仕掛け続けるサンフレッチェ広島。

決して折れない紫のチームは、来シーズンの優勝を目指して愚直に突き進みます。

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