新体制のキーマン紹介

クラモフスキー体制で変化が見られたのは、守備面だけではない。本セクションでは、新体制で躍動するキーマンたちを紹介していきたい。

まずは、ダブルボランチの一角で起用されている松木玖生だ。青森山田高時代から“超高校級”として注目を集めてきた松木はルーキーイヤーの昨季、リーグ戦31試合に出場し2得点を記録。高卒1年目から主力に定着した。

プロ2年目の今季も、持ち味とするフィジカルの強さ、縦への推進力に加え、プレースキッカーとしてチャンスメイク。特に監督交代後は攻守にハッキリとしたプレーがチームの決まり事になったこともあり、自身の強みを発揮しやすくなっている。第19節・柏レイソル戦では、森重真人の負傷を受けて“急造センターバック”を難なくこなし、戦術理解度の高さを見せた。

主将として臨んだ5月のU-20ワールドカップでは、セネガルとの初戦でゴールを決めるも、チームはグループステージで敗退。この悔しさをバネにして、クラブでの更なる成長に期待したい。

年齢的には、2003年生まれの松木のひとつ下である19歳の俵積田晃太は、今季よりトップチームに昇格し、第2節・柏戦でJリーグデビュー。ここまでリーグ戦15試合に出場し、特にクラモフスキー体制では3試合連続でスタメン出場を果たすなど、プロ1年目から存在感を放っている。

俵積田の売りは、何と言っても独特のリズムを刻むドリブル突破だ。対面のディフェンダーを相手に物怖じせず積極的に仕掛ける姿勢も光り、大ブレイクの予感を漂わせる。

第19節・柏戦では、フェイントからの丁寧なクロスでディエゴ・オリヴェイラのヘディング弾をアシストし、チームの勝利に貢献した。(動画1分45秒から)

俵積田はアカデミー育ち(U-15むさし、U-18)だが、クラモフスキー体制ではアカデミー育ちの有望株が出場機会を増加させている。左右のウィングでプレーする野澤零温(U-15深川、U-18)と大型ボランチの寺山翼(U-15むさし、U-18から順天堂大に進学)がチャンスを得ており、点取り屋の熊田直紀(U-15むさし、U-18)も虎視眈々と出番をうかがう。

また、大会初となるアジア連覇を達成した「AFC U17アジアカップ タイ2023」では、U-18から後藤亘、永野修都、佐藤龍之介の3名が優勝メンバーに名を連ねた。彼らは近い将来のトップチームでの活躍が期待されるが、アカデミーの充実ぶりは今後も明るいニュースを運びそうだ。