そして、若手に負けじと存在感を示すのが、渡邊凌磨と塚川孝輝だ。

ともに複数ポジションに対応するユーティリティプレーヤーで、ウィングが主戦場の渡邊はトップ下、インサイドハーフ、サイドバックでもプレー可能。塚川はボランチ/インサイドハーフをメインポジションとしつつ、トップ下やウィング、センターフォワードでも起用されてきた。

前線は仲川輝人とアダイウトンがケガのため離脱中で、台所事情は苦しい。その中で複数ポジションをハイレベルでこなす渡邊と塚川の存在は非常に大きいと言える。

特に第20節・浦和レッズ戦を累積警告による出場停止により欠場した塚川は、184cmとサイズがあり、タフに戦えるハードワーカー。前線に強さをもたらすことができる背番号35が次節以降、トップ下の定位置をつかめるか注目したい。

強敵との戦いが続く夏場を駆け抜けろ!

監督交代後の極めて重要な3試合を2勝1分で乗り切ったFC東京にとって追い風なのが、クラモフスキー監督のチームは「勢いに乗ると怖い」という点だ。

今季途中まで指揮を執ったモンテディオ山形時代を振り返ると、途中就任だった2021シーズンは、就任後の29試合で17勝3分9敗を記録。就任前に17位だった順位を最終的に7位まで上昇させた。

また、昨季は序盤戦に勝ち点を伸ばせず、第10節終了時点で19位と低迷。第11節からの3連勝で一気に4位まで浮上した後、第26節終了時点で13位まで順位を落とすなど文字通り乱高下だったが、最終節の勝利によりJ1参入プレーオフ圏内の6位でリーグ戦を終える。

プレーオフでも1回戦で快勝し、2回戦でロアッソ熊本を相手に一時はリードを奪うなど勢いを見せた。

クラモフスキー体制で攻守にアグレッシブなスタイルはすでに確立できており、勢いに乗ればリーグ戦でのトップ5フィニッシュ(第20節終了時点で5位・セレッソ大阪との勝ち点差は6)はもちろん、ルヴァンカップ&天皇杯での優勝も十分狙えるはずだ。それだけのタレントは元々揃っている。