先月27日、UEFAが発表した新たなコンペティション「UEFAネイションズリーグ」。

日本代表との影響、さらにはその複雑さから様々な議論呼んだが、このほどそのレギュレーションの詳細が発表になっている。

UEFA Nations League-1

こちらが、UEFAネイションズリーグの大まかなグループ分けである。

UEFAに加盟する54の国と地域をこのように分配し、総当たりのリーグ戦を行う。

先日も記した通り、今コンペティションでは54の国と地域をそのレベルに応じて4つに分割する。それがDivisionにあたり、強豪国から順番にA, B, C, Dとなる。

ちなみにこのDivisionだが、AとBには12チーム、Cには14チーム、Dには16チームが所属する。

各Divisionにはそれぞれ4つのGroupが存在しており、各国はこのGroup内で3~4チームの総当たり戦を行うことになる。

UEFAネイションズリーグは2018年の9月に開始されるが、実際にゲームが行われるのは同年の9月、10月、11月。この期間にはFIFAから計6試合の国際親善試合が組めることが発表されており、UEFA所属国はこの期間で同コンペティションのグループステージを消化する。

ちなみに、このグループステージはホーム&アウェイ形式で行われるが、Groupに3ヵ国しか存在しないチームは事実上、他大陸との国際親善試合を組むことも可能となる。

さて、このUEFAネイションズリーグだが、当然チャンピオンも決定する。DivisionAの各グループを首位で通過した4チームによるFinal Competitionが翌2019年6月行われ、ここで王者が決定することになる。

ちなみに、このグループステージだが、各グループの最下位となる4ヵ国は次のシーズン、下のDivisionへと降格し、替わりに各Groupの首位となった4ヵ国は上のDivisionへと昇格する。

このUEFAネイションズリーグだが、翌年に行われるUEFA欧州選手権2020の出場権にも関係してくる。

UEFA欧州選手権2020では、予選が2019年3月、6月、9月、10月、11月に行われる予定で54の国と地域を10のグループに分配する。

この分配については、現行のものと同様に5チーム在籍のグループが6つ、6チーム在籍のグループが4つの計10グループ54チームである。

UEFA欧州選手権では、2016年大会より本大会への出場数が16から24チームへと増えるが、この予選では各グループで総当たり戦を行い、各上位2チームの計20チームが本大会への出場権を獲得する。

では、残りの4ヵ国はどうなるのだろうか?実は、残りの4ヵ国についてはUEFAネイションズリーグのフォーマットを用いたプレーオフが行わるのだ。

UEFA Nations League-2

UEFAネイションズリーグでは各Groupの首位チームが存在したが、この首位チーム計16チームによるプレーオフを行い、UEFA欧州選手権2020の残りの4枠を決定するという仕組みだ。

しかし、当然首位で通過したチームの中には、すでにUEFA欧州選手権の予選で本大会への出場権をすでに獲得したチームが存在しているはずだ。その場合は、国際的なルールに従い、次に成績が優秀なチームがこのプレーオフに参加する。

このプレーオフは2020年3月に行われ、各Divisonによって行われる。このプレーオフを制した4チームが本大会への最後の出場権を獲得することになる。

以上が、UEFAが発表したおおまかなレギュレーションである。

UEFAネイションズリーグの導入には国際親善試合の撤廃に伴う試合の激化などがあるが、どうやらUEFA欧州選手権の機会均衡を加速させるための手段でもありそうだ。

このレギュレーションでいえば、UEFAネイションズリーグのDivisionDに所属する1チームに、翌年の欧州選手権への出場権が付与される。

これまでの欧州選手権の予選方式は、それぞれのポットから選ばれた各国が1つのグループに集約される、ある種トーナメントとしては“順当”なスタイルであった。

しかし、UEFAランキングの下位16ヵ国の1つに予め出場資格を与えるというのは、ミシェル・プラティニUEFA会長が就任以来訴え続けてきた「機会均衡」を具現化したプランであることは明白であろう。

今回の新レギュレーションはかなり複雑でなかなか理解するのも難しいが、解釈次第ではUEFAの意図も読み取れる、そんなルールになっているようだ。


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