このチームの主役はやはりネイマールだ。ペレと同じサントスでのデビュー当初から神童と呼ばれ、その名に恥じない活躍でゴールを量産。華奢だがスピード感に溢れるドリブル、巧みで遊び心のある高いボールテクニックに加え決定力も抜群で、先日行われた強化試合のパナマ戦で22歳にしてプロ通算200ゴールを記録した。昨年移籍したスペイン・バルセロナでは欧州の戦術とフィジカルに苦しんでいるが、代表での彼は別格。ブラジルを優勝に導くには王国が誇る10番を背負う彼の活躍が必須だ。

そして1トップを務めるフレッジだ。今回、スペイン代表として出場するブラジル人ジエゴ・コスタは自身を招集しなかったフェリポンへの恨み節を口にしたが、それもフレッジの存在があったからだ。昨夏コンフェデでの活躍によりセレソンのエースFWとしての地位を確立、2006年以来2大会ぶりの出場を手にした。歴代の怪物FWと比較され小粒だとも揶揄されるが得点感覚に関しては全く劣るものはない。ネイマールのチャンスメークと彼のゴール前での決定力が、母国を優勝へ導く鍵となる。

日本人としては元Jリーガーのフッキにも期待したい。国内での実績がなくパワータイプの彼は国民から必ずしも支持を得ていないが、かつて同じ境遇にあったアドリアーノが2004年コパ・アメリカ、2005年コンフェデでの大活躍により国民のアイドルとなったように、母国での活躍により超人ハルクのような人気者となってほしい。今大会は主に右サイドでプレーすることになるが、切れ込んでからの強烈な左足が大きな武器となる。