通常、そのような場合に期待されるのは新たな選手の登場であるが、タバレスの前回大会メンバーに対する信頼が絶大ゆえほとんど新陳代謝が機能していない状態が続き、同じメンバーがただ加齢しただけのようなチームには停滞感が漂っていた。タバレスが指揮を執り、スアレス、カバーニをOAで招集しながらグループリーグ敗退に終わったロンドン五輪は、フォルランの不在の影響と、タバレスの固定により若手がA代表経験をほとんど積めていないことを露呈する結果であったとも言える。

しかし南米予選敗退の危機のなかで行われた昨年のコンフェデレーションズカップが1つの転機となる。大会中フォルランをトップ下から左サイドに配置した4-3-3に近い形が機能するとチームの流れも変わり、スペイン、ブラジル、イタリアら世界の強豪相手に善戦。イタリア・ナポリではハイペースでゴールを重ね世界最高レベルの活躍を続けながら代表では右サイド気味の役割のなか、なかなかスアレスと噛み合わなかったカバーニも機能し始める。そして春先には突破が難しい状況に追い込まれていた南米予選でも終盤に以前の強さを取り戻し、プレーオフの末に2大会連続の出場を決めたのだった。