しかしながら今回の南米予選でもこれまで同様に苦しみ、4大会連続プレーオフの末にヨルダンを下しての出場となった。その理由は何だったのだろうか。

要因の1つは前ページにも書いたが単純にその戦い方が短期決戦向きだという点だろう。タバレスはこの国の伝統である激しいが時に自制心を失いがちだった選手をしっかりコントロールさせ、攻守のバランスを整えることでチームを成功に導いてきた。特に現在のチームはメンバーを固定し連携を高めることで相手によって布陣を柔軟にチェンジし、長くボールを支配されたなかでも集中を切らさずブロックしつつ中盤を省略したショートカウンターからスアレス、カバーニ、フォルランといった破壊力抜群のタレントに預ける戦術に磨きをかけてきた。

しかしそのギリギリの戦いを長丁場のリーグ戦で持続させることは精神的にも肉体的にも困難であることは想像に難くない。

加えてエース、フォルランの不調によるものが大きかった。2010年大会で4位ながら最優秀選手に輝いたフォルラン。野獣のように闘争心旺盛な選手の多いウルグアイにあって、彼の技術と創造性がほぼ唯一チームに変化を与えていたのだが、衰えか或いは燃え尽き症候群か大会後にパフォーマンスが急降下。短期決戦のコパ・アメリカこそスアレスの爆発により優勝したものの、長期に渡る南米予選でより彼の不調の影響が表面化することとなった。