【ギリシャ戦について】

結城康平:ギリシャ戦序盤、PAOKの乱発生以前は、大迫と大久保からいいミドルが数本あって、ギリシャのDFラインの外から攻略しようという形が出来上がっていましたよね。

スケゴー:大迫が下がってきたら、大久保と岡崎が飛び込むという、バルサ式0トップに近いような形がデザインされ、実際機能していましたからね。

タカク:大久保は相手もデータがなかったのか、やたら彼が入って混乱してましたよね。隠し玉としての役割は十分に果たしていた印象です。

スケゴー:あの時(ギリシャ戦前半)は、組み立ての時にサイドバックを押し上げるために、山口、長谷部が下がって来て3バック化してましたよね。でも、今野が攻め上がってた時に2人とも中盤に戻ってて、明らかに組織的におかしくなってたんですよね。ボランチ2人が残らないので、吉田が1人になってしまう場面とかも多かった。退場するまで、内田が攻め上がれなかったのもそこかな、と。内田がボランチ2人が出ていったせいで空いたDFラインの穴をカバーしなければならない状態にあった。

タカク:組み立ての3バックもどきって、デザインされてたのかな?

結城康平:練習試合でもやっていましたけど、その時は遠藤のセンスと能力に依存し過ぎてたような印象があるんですよね。長谷部が下がって行く時のいいイメージがないというか。

スケゴー:長谷部も後ろをやってた経験自体はあるので、実際ちゃんと指示すれば出来ないこともなかったと思うんですけどね。大久保と岡崎が大迫と入れ替わり、本田が落ちてきてサイドバックが上がるという、それ以外のシステム自体は上手くいっていたんですけど、山口と長谷部のポジションが唯一おかしかったです。

結城康平:プレースタイルという部分も関係しているんでしょうかね。山口と長谷部が、両方所謂Box to Box*の選手ということもあり、それでDFラインに残ること自体に慣れていないというか。

*自陣ペナルティエリアから敵陣ペナルティエリアまでの広い範囲でプレーすることを好む、中央のMFを指す。運動量があり、攻守に働ける選手であることが多い。

スケゴー:セレッソで点取りまくってから、プレースタイルが変わってしまったのが痛恨でした。前はマケレレみたいだったのに現在はランパードの様になっています。

結城康平:今回のW杯も、やけに前でプレーしていた印象はありますね。

タカク:山口、長谷部はランパードとジェラードの組み合わせみたいだったね。

スケゴー:それ、青山、長谷部で僕も思いましたね。どっちもクラブでは、アンカー*と組んでるタイプ同士という組み合わせ。

*DFラインの前に残るタイプのセントラルMF。一般的には、ダブルボランチは動き回って攻守に貢献するタイプと、残って組み立てと守備で貢献するタイプで組むことが多い。

スケゴー:なので、CB3人で中盤の穴をカバーするような形式の3バックだと思ってたんですよね。そうなるとアンカー型のボランチがいらなくなるので、それが高橋と細貝を切った理由だと思ってました。

結城康平:ちなみに、所謂アンカータイプはJリーグで育ってるんですか?

一同:いない。

スケゴー:もともと高橋だけだったんだけど、彼も新監督の影響なのか、スタイル若干変わってきてるんですよね。あのイタリア人はどうなんですかね?

結城康平:フィッカデンティは、所謂突然変異種ですね。イタリア人の中でも典型的なタイプとかではないです。

スケゴー:若くしてヨーロッパから日本に来る監督って、どうもあんまりいい印象がないんですよね。まあ、国内で指揮官が出来るなら国内のチームに残っているんでしょうし、当然なのかもですけど。

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