クリスタル・パレス(昨季11位)【開幕戦観戦】
【ピッチ外でのネガティブな要素を、振り払うパフォーマンスに期待】
・Positive Aspect
主力の慰留にはある程度成功し、ピンポイントで上積みも出来ている点は大きい。また、窮地にあるチームをサポーターは献身的に支えている。選手たちも、開幕戦では必死で戦おうという姿勢を見せていたし、コンディションもそこまで悪くはない。強豪であっても苛立たせるような、フィジカルを生かした激しい守備も健在。ピューリス前指揮官の作り上げた組織をどのように生かしながら何を足していくのか、そういった部分が注目されてくるだろう。指揮官はニール・ウォーノックに決定。難しい状況のチームを率いた経験も多いベテラン指揮官でもあるため、チームの再編に期待がかかる。
・Negative Aspect
ピューリスの突然の辞任は、クリスタル・パレスを混乱に叩き落とすには十分だった。しかも、それに加えて指揮官候補だったマーキー・マッケイに人種差別スキャンダルが浮上、SDの首を飛ばす自体にまで発展。Skyに「クリスタル・パレス史上最悪の日」と言われる事態にまで陥ってしまった訳だ。こういった負の要因がピッチ内に影響を及ぼし始めてしまえば、クリスタル・パレスは一気に降格の危機に陥りかねない。もともと選手層も厚いクラブではないことから、主力の不調やファールトラブル、怪我など様々な不確定要素に苦しめられる可能性も。新指揮官ニール・ウォーノックも度々問題を起こすタイプなので、そういった面も不安ではある。
・New Player
ブレーデ・ハンゲラン
経験を生かして熟練のパフォーマンスを見せたセンターバックは、未だにトップレベルでこなせる選手であることを証明した。状況把握能力の高さを生かしたカバーリングや、しっかりと半身になってのアタッカー対応などで違いを見せたことで、今後はチームの要として期待されるはずだ。窮地に陥るチームを引っ張るチームリーダーとしての役割にも最適か。代表引退も、クラブにとってはポジティブなニュース。
・Key Player
マイル・ジェディナク
キャリアの全盛期を謳歌するオーストラリア代表MFは、クリスタル・パレスの中で唯一プレミアの上位クラブでも問題なくプレーをこなせる格の選手だろう。フィジカルを生かした守備力に加え、正確で鋭いパスを冷静に供給する。空中戦にも強く、その存在感は中盤にそびえ立つ壁。名実共にチームの中心として、変わらぬ活躍が期待される。
・Potential Player
マルアヌ・シャマフ
開幕戦では驚異的な献身性を披露し、攻撃時はトップ下、守備時は3センターの一角としてプレーするという信じ難い運動量で度肝を抜いたモロッコ人FW。窮地に陥るチームを救おうと必死で戦う姿は、涙を誘うものだった。しかし、あの使い方で長いシーズンを戦えるとは思えないことから、どうやって彼の献身性を使っていくかは検討の余地がありそうだ。対ビッグクラブ相手の切り札として、守備貢献は上手く温存出来れば。
フレイザー・キャンベル
一直線のスピードでの裏への抜け出しには定評があるストライカー。一本調子にも関わらず勝負できるその俊足を武器に下位クラブを渡り歩いており、そろそろ飛躍が期待されるところだ。クリスタル・パレスではエースの重責が与えられることになる。大きく化けられるか。少ないチャンスをなんとか得点に繋げたい。
・Deadline Deal
ジェームズ・マッカーサー
ウィガンからパレスが購入した守備的MF。クオリティに関してはトップクラスではないものの、そのプロとしての姿勢はクリスタル・パレスに良い影響を与えるはず。守備では全力で走り回って中盤を引き締めることが出来るので、底を支えるジェディナックとの相性も悪くないはず。