ストーク・シティ(昨季9位)【第2節観戦】

【不安を感じるパスタからの、唐突な家系ラーメン】

・Positive Aspect

ショウクロスを中心とした守備組織は引いてしまえば、抉じ開けるのは困難。そこからの一瞬のカウンターの切れ味は衰えておらず、攻撃陣でも個々でカウンターを成立させてしまうメンバーが揃う。また、マーク・ヒューズが自分のサッカーに拘りを持っておらず、あっさりとポゼッションを捨てているおかげで結果を出せている。ラーメン屋のパスタ、と座談会では例えられたストークのポゼッションだが、結果的に普通にラーメンに近づいていくのかもしれない。第3節は観戦していなかったのだが、こってり家系ラーメンの様な面子で守り倒したようだ。

・Negative Aspect

付け焼刃のパスタ・ポゼッションサッカーは、10人のハル・シティを崩せないという醜態を晒した。何よりポゼッションサッカーをするには面子が足りておらず、テクニックはあるけれどボールを離さない選手が多い状況では難しい。ボージャンが1人で衛星のように動き回ることで起点になろうとしていたものの、ヒューズはあっさりとクラウチを投入して空中戦に変更。それで結果が出てしまった現状、ポゼッションは一端忘れられることになりそうだ。ヒューズがポゼッションに拘ると危険だが、あまりにアッサリとそれを放棄したので大丈夫そうだ。

・New Player

ボージャン・クルキッチ

改革を目指すストークに流れ着いた元バルセロナのエース候補。FWというより、アタッカーのようなプレーをこなすようになってしまったが、自分の出来ることだけに徹する姿勢は見事。ストークでもポゼッションで攻撃的なフットボールを目指す上で懸命に衛星として走り回っているが、ポゼッションが上手くいっていない現状ではなかなか本領発揮とはいかないか。格下相手の試合などでアピールしていきたいところ。

・Key Player

ライアン・ショウクロス

そろそろイングランド代表に定期的に呼ばれていいほどに、しっかりと成熟してきたCB。年々守備能力は進歩してきており、何よりもミスが少ない。耐える展開にも慣れていることから、相手に攻め込まれても集中力を切らさず、守備を徹底して引き締める姿は壁のようである。DFリーダーとしての自覚も十分で、セットプレーではヘディングを叩き込むことも少なくない。

・Potential Player

マメ・ビラム・ディウフ

1トップとしてはプレーの幅がそこまで広くないことから満足なプレーが出来ていなかったが、クラウチと組むことによって力を発揮してくる可能性が高そうなストライカー。第3節のシティ戦では値千金の決勝弾を決めており、ディウフとクラウチの2トップがフィットしてくれば面白いかもしれない。

ヴィクター・モーゼス

その推進力とフィジカルを生かしたプレーと守備参加によって、カウンターを志向する際には出番も増えてきそうなナイジェリア人アタッカー。ストークの守備面をアタッカーとしてサポートすることが出来れば、その長距離を走る能力が生きてくるはず。プレーの正確さが増せば、レギュラーも夢ではない。

・Deadline Deal

ウサマ・アサイディ

ヒューズが強く加入を望んだリバプールのウインガーは、ストークに再びローンで加入することになった。足裏を使ったドリブルで仕掛けてのアシストと迷いのないミドルシュートで攻撃を牽引する彼は、アタッカーのポジション争いを激化させるはず。

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筆者名:結城 康平

プロフィール:「フットボールの試合を色んな角度から切り取って、様々な形にして組み合わせながら1つの作品にしていくことを目指す。形にこだわらず、わかりやすく、最後まで読んでもらえるような、見てない試合を是非再放送で見たいって思っていただけるような文章が書けるように日々研鑽中」
ツイッター: @yuukikouhei

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