ニューカッスル(昨季10位)【開幕戦、第2節観戦】

【どうやって組織の中でRémy Cabellaの才能を生かし切るか。】

・Positive Aspect

一芸タイプの発掘には相変わらず成功中。俊足で解りやすいプレーを繰り返せるFWのリヴィエール、スピードというよりは馬力のある突破やミドルシュートで勝負するSBヤンマート、ボール扱いに定評があるMFコルバックなど、それぞれの新戦力は存在感を放ち始めた。また、レミ・カベッラはニューカッスルのここ数年でも最大の補強になるポテンシャルを秘めている。ダビド・シルバのお株を奪うようにシティ戦で披露したパフォーマンスは別格。ボールをサイドで溜めることが出来るアタッカーの存在を、チームとして生かせれば躍進も。サイドバックのオーバーラップ、センターからのエリア内への走り込みを組織として構築したい。

・Negative Aspect

新戦力のフィット感、全体のコンディションにおいて若干他チームよりも劣る印象を受ける点はマイナス。プレミアリーグ未経験者が多い新補強選手たちをチームに馴染ませるまでには時間がかかりそうで、それまでをどうやってやりくりしていくか。カベッラに良い状態でボールを受けさせるためには、もっとFWが時間を作って行く意識が必要になってくるはず。また、フィジカルで勝負出来るシソコの役割を明確化させていきたいところだ。欲を言えば、ウィリアムソンとコロッチーニでは組み立てに不安があることから、ボールを扱えるCBが欲しい。

・New Player

レミ・カベッラ

間違いなく大器、と既に言い切れるほどの存在感を放つアタッカー。ダビド・シルバやアドナン・ヤヌザイのように「対面するDFが簡単にタックルに飛び込めないドリブル」を持つ。コース選択とセンスによって難なく前を向いて、相手との駆け引きを有利に進めるプレーにおいて常に存在感を放つ。また、スルーパスや浮き球パスなども得意で、俊足リヴィエールに合わせるパターンに期待出来そう。強いて言うなら、プレミア的な速い展開での判断力、トップスピードでのカウンターにおけるボールコントロールには改善の余地有り。中央でのプレーも、若干サイドでのプレーと比べると物足りない。

・Key Player

フルノン・アニタ

恐らく今季のニューカッスルの命運を背負う選手。優れたバランス感覚とポジション取りで中盤の底を支えていくことが求められる。コルバック、シソコが守備でのタスクを完璧にこなせるタイプではないことから、彼がどこまで健闘出来るかでチームの出来が決まりかねない。開幕から2試合で上出来なパフォーマンスを披露しており、今後は中盤を統率するような役割も求められてくるかもしれない。

・Potential Player

ムサ・シソコ

相手を弾き飛ばしながら突進するようなドリブルで存在感を放つMF。勿論圧倒的な存在感を誇っているものの、強引に突破を仕掛けた際にボールを奪われ、チームを窮地に陥らせてしまうことも。守備でのタスクも整理されていないからか曖昧で、守備に全力で参加していたかと思えば前線に残っている。自分の能力を攻守で生かす献身性、チャンスを見て攻め上がる賢さを身につければ、チームにとって本当に欠かせない選手になるだろう。

ジャック・コルバック

昨シーズンのグレートエスケープの立役者、ローカルライバルであるサンダーランドからやってきた男は、既にニューカッスルに清涼な風を吹き込んでいる。衛星のように動き回りながらの正確なパス出し、そして鋭いターンはスペインの選手を思い起こさせることも。ただ、3センターに慣れているからか、守備時にボールを追い過ぎてしまったりする癖が抜けないのは致命的。今後はニューカッスルにおいて、中盤を司るようなプレーも求められてくるだろう。彼が絡めば遅攻でも攻撃が成り立っているように、既に欠かせない存在ではある。

・Deadline Deal

無し。セインツとの競争の末にCBアルデルヴァイレルトを取り逃がしたことが響かなければいいが。