-アルゼンチンで日本人という事に苦労した経験はありますか?
飯沼氏:『指導している中で言葉のハンデがあるのはどうしても感じますね。細かい言い回しまで出来ないとか、「この状況の時にスペイン語でなんて言うんだろ?」みたいなことはけっこうあります。その分、伝え方やデモンストレーションなどは工夫しています。
あとはもし、結果が出なかった時に自分に矛先が来るのは仕方ないと思ってます。「お前が来てから勝てなくなった、もうクビだ」など、最悪の状況はいつも想定して準備しています。
今までの経験談としてはトップチームがスルガ銀行カップで負けてからの1週間がラヌースに関わってからは一番辛かったですね。「お前は柏のスパイだった。相手に情報を渡したな!」とか「お前の作ったデータは嘘だった」とか。その週の練習見学は本当に行きたくなかった。
ただ、チームが日本から帰ってきて、コーチと話した時に「お前は悪くない、自分たちのプレーが悪かったんだ」と言ってもらうことが出来て救われました。』
-並々ならぬ努力、感動しました。今回は誠にありがとうございました。
インタビュー内で飯沼氏が話してくれたラヌースの魅力、クラブ・アトレチコ。
日本語では総合型社会・スポーツ複合施設という所か。筆者がラヌースを訪れると、ユースとトップが同じ敷地内で練習している事は聞いていたが、同じ敷地内に学校、スタジアム、そしてスタジアム内に寮が併設されていた。
ビビビっと来た。
学校にはユースの子以外にも地域の子達が通い、胸にはラヌースのロゴが入っていた。生まれた時からラヌースファンとして生きていく仕組みがそこにはあった。スタジアム内に作られた寮からは、毎試合トップの雰囲気を感じる事が出来る。夢を描かずにはいられない。テニスコートや陸上トラックを利用する姿もある。
地域に根ざし、地域に愛され、地域と共にあるクラブーー
CAラヌースは、ラヌース市民と理想の関係を築いているのかも知れない。
http://s.ameblo.jp/naoki-iinuma/
スタジアム横側。ここは寮
ラヌースでの指導をする飯沼氏
ラヌース育成指導者陣と
スタジアム前で
筆者名:平安山 良太
日本で部活、街クラブ、Jクラブで幼稚園生〜大学生まで幅広く指導。その後東南アジアのプロクラブや代表での研修を経て、ブラジル全国一部リーグのAtlético Paranaenseで学ぶ。
現在は2012年クラブW杯で優勝し世界一に輝いたSCコリンチャンスにて日々己を磨いています。
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@HenzanRyota