日本時間18日、大阪ヤンマースタジアム長居で日本代表との強化試合を行うオーストラリア代表。チームは先週中頃から来日しており大阪でキャンプを続け、来るべき一戦に備えて調整している。

4年前のアジアカップでも決勝戦で日本と対戦した彼ら。AFC加盟以降も日本と度々対戦しているが、楽に勝たせてもらったことは一度もない。むしろ、その決勝戦と東アジアカップを除けばAFC加盟以降一度も勝ったことがないのだ。今大会のアジアカップはオーストラリアで開催される。モチベーションも一入だろう。

さて、今回対戦するオーストラリア代表選手の中には、日本と深い関係を持つ選手がいるのをご存知だろうか?この選手は2014年W杯にも出場しており、当時から一部方面でその関係性が伝えられていた。そして今回の対戦を前に日本の主要メディアでも取り上げられ始めているのだが、Qolyでは改めて紹介してみようと思う。

オーストラリア代表の日系人選手、ジェイソン・デイヴィッドソンである。

ジェイソン・アラン・デイヴィッドソンは1991年6月29日生まれの23歳。昨シーズンまでエールディビジのヘラクレス・アルメロでプレーしていたのだが、この夏プレミアリーグのWBAへと移籍した。ポジションは左サイドバックである。特別なフィジカルがあるとか、スピードが優れているということはない反面、足元でボールを扱う技術、ビルドアップ能力がしっかり備わっており、攻撃参加すれば前線に質の高いクロスを供給できる。

実はこのデイヴィッドソン、父親のアランが日本人とオーストラリア人とのハーフである。つまり、ジェイソンはクウォーターということになり、彼にとっては祖母が日本人にあたる。

そのためか、どこか日本人ぽい顔立ちをしている。父親のアランもかつてオーストラリア代表でプレーしたサッカー選手であり、ジェイソン自身も「父親がいなければ今の僕はなかった」と言うほど尊敬しており、大きな影響を受けていると話している。

左側が父親。父親の影響からか、小さい頃からサッカーをしていたようだ。背番号まで同じ。

そんなデイヴィッドソンは、高校生活の3年間を日本で過ごしている。14歳の頃、サッカーの名門で知られる東京成立学園高等学校サッカー部のスカウトの目に止まったのだ。デイヴィッドソンは当時日本語をほとんど話せなかった。しかし、父親がルーツを持つ国で選手として成長することを決めた。

成立学園高校といえば、サッカー解説者である宮内聡氏が総監督を務めていることでも有名である。宮内氏は以前インタビューの中で「唯一自慢できるのは、100名近くいる部員の顔と名前を把握していること」と話しており、おそらくこのデイヴィッドソンの指導経験もあるはずだ。

【次ページ】自分の遅刻でチームメイトが頭を丸める結果に・・・