大武「後は、日本のFWとかアタッカーが育たないのは、DFが駄目だからだっていう話がちょっと気になりますね」
宮山 「それは、DFの判断する力が弱いって感じですか?」
大武「DFの話を書くこともあるので、コマ送りで映像を見ているんですけど、守り方の基本が全然違うんですよ。見れば見るほど日本はDFを育てることから考えないとだめだなあと…」
db7「世界のDFは懐が深いっていう、のがありますよね」
大武 「たまに、日本のDFって距離を取りながらずるずる下がってしまって、何もプレッシャーになってないということがある気がします。海外だと、DFってどこの局面でも積極的にごりごり入ってきますからね。ちなみに質問なんですけど、プレーされていた方は、『DFしている時は、腰を落として、アプローチは強く』って教わりました?」
結城「そうですね。僕がプレーしている時は、そういう風に教えられていた記憶があります」
大武「ブラジルとかだと、もっと足を出していく方向で指導しているという話があるんですよね」
結城「それは見ていても解りますよね。ダビド・ルイスとかは極端な例かもしれませんが、ブラジル人のCBはどんどんと前でボールにチャレンジしてくるし、パスカットも狙ってきますから」
db7「確かに、南米とかのDFってボールにどんどんと勝負してくる印象はありますね」
結城「世界レベルのDFっていうのは、足を出しながら間合いを詰めてくるというのが面白いなと思いますね。それこそPSGのチアゴ・シウバとか、チェルシーのアスピリクエタとか。キッチリと距離感を潰して、タックルをしていくことによってリスクを軽減しているんですよね。距離を詰めるプロセスと、ボールを奪取しに行くプロセスの時間差が無いので、相手のアタッカーも上手く間合いを測れない」
大武「日本の若いDFは失敗を恐れているというか、安全にプレーしようという意識が強すぎるっていうのはあるかもしれません。何度も何度も失敗しないと、間合いって身体に染みこまないんじゃないかと」
結城「個人差、状況差みたいなものもあるはずで、そういうのって経験的なものと密接に絡んでくるでしょうからね」
手原「元ボランチのCBがバイタルエリアとかでボールを奪いにいって、そこでゴールを決められると凄く怒られますよね。ボランチの経験からか、寄せすぎるので外されてしまうことが多くて。そういったミスをすると、どうしても厳しく怒られてしまうので、引いて守るばかりになってしまうってのはあるのかも…」
db7「足だけ出して取りに行ってたりとか、っていうのでは駄目なんですよね。足だけではなく、腰ごと奪いにいくことが求められる」
結城「腰ごとつっこんで、相手の重心を崩しに行くというのは大事ですね。足先だけの技術だけじゃなくて、バランスを崩せば相手の自由を奪っていくことが出来る」
手原「ちょっと柔道的な感じですかね」
宮山 「腰を落とす時って、僕はサッカー経験がないから解らない部分もあるのですが、重心は後ろにいきがちなんですかね? 先ほど結城さんが言われていたアスピリクエタとかだと、腰を落としながらも重心が前なんだろうなと」
大武「日本の選手に関して言えば、そうですね。重心は後ろになってしまいがちなのかなと」
宮山 「重心が後ろになってると、ボールを奪いに行く時に足だけになっちゃいますよね」