大武 「日本のサッカーは、決定力ではなくもっとこういった守備におけるスキルを重要視すべきなんじゃないかと」

db7「僕はバスケットボールをプレーしていたのですけど、バスケでも腰を落として守るべきって言われるんですよね。例えば、スラムダンクの海南対陵南戦で牧が仙道をマークする時とかの描写を見て貰えば解るかと思うんですが、腰を落としてマークするっていうのがバスケットボールの世界でも美徳とみなされているというか、そういう印象はあります」

大武 「実際のところは、あんなに腰をおとしちゃったら動けないですよね」

db7「腰を落とすというか、重心を落とすっていうことですよね。大事なのは」

大武 「ただ、『日本人は骨盤の角度が違うから、海外のような守備は出来ないのでは』っていう説もありますけどね…」

db7「確かにありますね」

大武 「ただ、これを言われると絶望しちゃうじゃないですか、『遺伝なんていわれたら無理じゃん』、と(笑)」

結城「今は怪我などもあって、ちょっと怪しいですけど、セリエに来たばかりの頃の長友は、出来ていた気がします」

大武 「中田もですよね」

db7「僕は中田のファンで、DVDとかを沢山持っているんですけど、中田は晩年、どんどんとプレーが堅くなっているなっていう印象はありましたね。ペルージャ時代とパルマ時代だと体の使い方とか全然違うな、っていうのもありました」

大武 「サッカー選手っていうのは、どうしても鍛えたくなることがあるらしくて、年齢とともに筋肉がついていくのはあるみたいですね。ただ、筋トレをして柔らかさを失ってしまうのは勿体ないとも思いますけど」

db7「不安だっていうのも、勿論あるんでしょうけどね」

大武 「普通の人は、クリスティアーノ・ロナウドの真似をしたらだめだろうと。あれはしっかりした軸とかがあって、成り立つ筋肉だと思っています」

db7「彼の場合は体幹を鍛えてはいるんだけど、動作の俊敏性は失っていないんですよね」

結城「実際、フィジカルコーチはロナウドの肉体に関しては褒めまくってましたね。意味のない筋肉ではなく、柔軟性のある完璧な筋肉が、完璧なバランスで出来上がっていると。野球のダルビッシュじゃないですけど、食事とかにもめちゃくちゃ気を使っていたりと、筋肉の質にも細かく気を使っていそうな感じです」

大武 「そういう意味では、フッキは筋肉をつけすぎたのかなっていう。細かいコントロールが出来なくなっている印象がありました。肉体の使い方、っていうのはいつからでも修正することが出来るっていうのは夢があっていいなって思います」

結城「そういう意味では、ウエストハムのダウニングって夢の塊だと思うんですよ。一回リバプールに行って、本来の柔らかさを怪我の影響からか失ってしまったにも関わらず、ここ数シーズンで復活しているので。それこそ前屈みで、スプリントの筋肉に頼りきりだったのが、背筋がしっかり伸びた状態でプレー出来るようになった。今季は視野も広がってますし、チャンスをどんどんと作り出してますから」

手原「実際リバプール時代のダウニングは、クロス上げても全く効果的な感じではなかったですもんね」

結城「恐らく怪我の影響でしょうけどね。それこそ話に出た香川選手も一緒ですけど、リハビリの過程とかで身体作りに失敗してしまったのか」


【次ページ】 フットボーラーたちの怪我。ロナウドは別次元、メッシは…