◆入場料収入(Matchday)
オールド・トラッフォードはプレミアの中では圧倒的キャパシティを誇るスタジアムで、他のクラブが改築・増築しても数字上は観客数と入場料収入で追いつくことはありません(来期分ではCL不出場のツケで試合数が少ないためにアーセナルに抜かれるかもしれませんが)。
新しいスタジアムではないのでいつガタがくるかはわかりません。しかし長年に渡る大きなアドバンテージは今後も収入の支えになってくれることでしょう。
「メディア企業」と言えるのは、放映権料収入と商業収入の2部門の伸びが近年著しいので実体的にそう言えるまでにシフトしている、ということです。
◆放映権料収入(Broadcasting)
●チャンピオンズリーグの放映権料の増収
●プレミアリーグの放映権料の増収
●スポーツはLIVE観戦が重要
放映権料収入は、主に国内リーグとUEFAの大会(チャンピオンズリーグやヨーロッパリーグ)などの分配金によるものです。
チャンピオンズリーグの放映権料は20年で20倍に跳ね上がっており、契約更改毎に増え続けていますが、プレミアリーグも劇的に増加しています。BTスポーツ社が参入し価格が高騰。スポーツ業界の放映権料としてはNFLに次いで二番目となる放映権料となりました。13−14シーズンのデロイトマネーリーグにおけるトップ30クラブのうち、半数近くをプレミアのクラブが占めている状態がますます強まることは確実といえるでしょう。
チャンピオンズリーグに出ない中堅下位のクラブでも、他のリーグのクラブと比較して莫大な放映権料が手に入るからです。そうしていい選手を買ってくる。このサイクルがリーグで回せている間は、ヨーロッパで勝てなくとも、逆にヨーロッパに依存せずに経営が行えるとも言えるでしょう。
スペインでは2強とその他クラブの分配金差があまりにも違うとのことで、度々議論が巻き起こっていますが、プレミアでは元が莫大な上に、配分方法も極端な差は出ません。定期的にチャンピオンズリーグに出場するようなメガクラブでは、放映権料で大きな差は生まれないのです。
というわけで、違いを生み出しているのは商業収入ですが、その前に少々放映権についてのお話を。