本日10月29日は今はなき横浜フリューゲルスの関係者、サポーターにとって特別な日だ。

1998年のこの日、横浜マリノスと横浜フリューゲルスの合併話が突如浮上し、その後フリューゲルスはマリノスに吸収合併され、クラブは事実上消滅することになったのである。

そして、そのフリューゲルスの象徴的な選手であった前園真聖の誕生日であるというのも、運命のイタズラを感じずにはいられない。

今やタレントとしてお茶の間の人気を集めている前園だが、現役時代は絶対的なエースとして日本を28年ぶりに五輪出場へ導くと、1996年アトランタ五輪ではリヴァウド、ロベルト・カルロスらを擁するブラジルを破り、「マイアミの奇跡」を起こしたチームの主将を務めた。

彼の現役時代のピークは非常に短かったが、今なおファンを惹き付けるのは日本史上屈指にも数えられる切れ味鋭いドリブルだ。

ボールを持ったらまず仕掛ける。この切り返しを多用したドリブル、ドタバタ感&キュンキュン具合が妙に気持ちいい。

昨今の日本人選手はこの当時に比べ技術面で劇的に上達したことは間違いない。だがその一方で常にミスをしない“利口だが無難”な選手が増え、失敗を恐れず仕掛けるタイプの選手が少なくなった印象は否めないだろう。

やはりドリブルはゴールと並びサッカーの華。前園のような選手が恋しくもあるが、そんな前園に似た選手がJ2にいる。アビスパ福岡の金森健志だ。

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