そこで、FIFAが発行している2018年ワールドカップのレギュレーションを参照してみた。

第24項「Team equipment(チームの用具)」には、このような記述がある。

本来は英語で記されているが、今回は日本語訳もあわせてご紹介する。

Team equipment

5.
Each player shall wear a number between 1 and 23 on the front and back of his team shirt and on his playing shorts. The colour of the numbers must contrast clearly with the main colour of the shirts and shorts (light on dark or vice versa) and be legible from a distance for spectators in the stadium and television viewers in accordance with the FIFA Equipment Regulations.

それぞれの選手は、1から23までの番号をユニフォームとパンツの前と後ろに身につけなければならない。FIFA Equipment Regulationsに従って、番号の色はユニフォームとパンツのメインカラーと明確に対照的であり、スタジアムの観客席やテレビの視聴者からでも読みやすいものでなくてはならない。

―「2018 FIFA World Cup Russia™ REGULATIONS」

この項は予選のレギュレーションを対象としており、この第24項では用具の説明が記載されている。

それによれば、今予選でメンバー入りした選手は1から23の背番号をつけなければいけないようで、23より大きな番号は認められないのだという。また、背番号の色についても決まりがあるようだ。

そしてこの項の続きに今回の疑問の答えが書いてあった。

It is not compulsory for the name of the player to appear on his shirt during the preliminary competition.

選手の名前をユニフォームにつけることは、予選の段階では強制ではない。

―2018 FIFA World Cup Russia™ REGULATIONS

そう、ワールドカップの予選ラウンドでは「ユニネーム」の装着は強制ではなく、日本はこのルールに従っただけなのだ。

日本代表がなぜユニネームをつけなかったのかは不明だが、万が一ユニネームつきのユニフォームを用意してその選手が離脱した際に代えが利かないからかもしれない。あるいは、マーキング付きユニフォームのセールスに関係するのだろうか。

いずれにしても、日本はFIFAのルールに従っただけであったことが分かった。

【次ページ】とはいえこのルールは大会ごとに違うようで…