平安山「ドイツ・スペインと日本とのサッカーの違いはいかがでしょうか?攻撃法や守備法など」
富樫「スペインは守備組織・戦術が凄くしっかりしていました。多くの場合、スペインは守備が緩くて攻撃特化なイメージが持たれているんですが、全く逆で。そこが驚きでしたね。練習の30分くらいひたすら守備のスライドの確認やったり、これを小さい頃からやっているので、スペイン人のサッカーの理解力はとても高いと感じています。日本にいた時は正直守備は追い掛け回してるだけみたいな感じでどうにかなりましたから」
藤澤「ドイツ人は球際で一発で飛び込んでくる守備をします。日本ではタブーな守り方です。そこを上手く利用して相手守備を一発で躱してチャンスを作ったりしていました。とは言え、逆に奪われる事もあるので日本とドイツ、どちらが良いと決める事は難しいですね。日本人選手がドイツへ渡ったらこの違いを上手く利用していくべきだと思います」
平安山「ブラジルだとまず第一に選手の成長段階を見て決めるので一概には言えませんが、14歳辺りからチームとしての組織守備戦術を取り入れるチームが増えます。それまでは個人やグループ戦術が多いです。攻撃の形やポジション練習などは12歳以下でも練習しています。また、ドイツと近いかも知れませんが、一発で奪いにくるとまでは言いませんが、日本に比べて足はよく出してきますね。こちらの出方を伺う様な様子見で行う場合も混ぜてきます。小さい頃から足出しているので、足の出し方も上手くなるんですよ。日本だと"足出すな"をサッカー初めた最初の頃に教えちゃうんですけど、もう少し我慢して指導しても良いかなと思います」
藤澤「ドイツにいた時に、グラウンドが一面雪なのに、ポイントが無いトレーニングシューズで練習する事があったんです。当然、よく滑ります。でもドイツの選手達はあまり転んだり滑ったりしなかったのが驚きました。あのバランス能力の高さは日本とドイツの違いの一つだと思います」
平安山「レアル・マドリーやブラジル代表の名サイドバック、ロベカルが、少年時代に氷の上で裸足でシュート練習をして、あの殺人的なキック力を手に入れたという逸話はブラジルでもあります。面白いですね。」
(ウラカン・バレンシアのポスターに採用された富樫佑太選手。写真提供:富樫佑太選手)