『BBC』は「マゼンベで会長を務めているモワーズ・カトゥンビ氏は、コンゴ民主共和国大統領に立候補する可能性がある」と報じた。

モワーズ・カトゥンビ・チャプウェ氏は1964年生まれの51歳。ファシスト党による迫害を逃れてアフリカへと渡ってきたギリシャ人の父親と、コンゴ民主共和国人の母親の間に生まれたという出自を持つ政治家だ。

13歳で魚を売るビジネスをスタートさせ、漁業、鉱業で事業を拡大。後にザンビアで英語を学びながら輸送業、貿易業、食品業、インフラ建設業にも進出し、アフリカ屈指のビジネスマンとなった。

1997年には現在アフリカ最強クラスのクラブとして知られるマゼンベのオーナーになり、スポーツビジネスもスタートさせている。

そして2006年にジョゼフ・カビラ大統領(現職)をサポートしたことから政治活動を始め、国会議員、そしてカタンガ州知事を務めるなど重要な役職を歴任してきた。

与党PPRD(復興と民主主義のための人民党=中道左派)の一員として働いてきたものの、昨年9月に方針に反対して離党。政府による選挙の遅延を「憲法違反である」と訴えている。

カビラ大統領は5年の任期を終えるものの、その後継者を決めるための選挙を遅らせる方針を示しており、カトゥンビ氏は「彼は権力にしがみつこうとしている」と批判しているという。

絶大な力を持つカビラ大統領に対抗できる者は数少ない。しかし、民衆に大きな人気を誇るカトゥンビ氏はそれと戦える人物だと考えられている。

彼自身にも、もちろん権力を濫用して利益を得た、あるいは税金をごまかしたという疑惑はあるものの、唯一野党で力を持つ人物として、期待が衰えることはない。

ただ、問題はカトゥンビ氏がその方針を明らかにしていないこと、そして、大統領選挙が本当に今年行われるのかどうかということだ。

世論の調査でカトゥンビ氏が勝てそうになれば、おそらく選挙は行われないだろうとも考えられている。