レスターのサイドを務めたのは右がリヤド・マフレズ、左にマーク・オルブライトンだ。
フランス時代は無名に近かったマフレズだが、圧倒的なテクニックでゴール&アシストを量産し、今シーズンのMVPに選出された。特にタコの吸盤のように足元に吸い付くボールタッチは絶品で、あの懐の深い切り返しに何人ものDFがひっかかり動画やGIFでネタにされている。
右サイドのマフレズに比べると地味だったが、オルブライトンもスピードを生かした縦の突破から幾度となく決定機を演出した。
そんな彼らのポジションに入るのは…
野津田 岳人(アルビレックス新潟)
昨年暮れのクラブW杯で負傷しU-23選手権を辞退するまで、このチームで優先度の高い位置にいた野津田岳人。
U-23選手権は南野、矢島らが右サイドでプレーしたが、もし強引にマフレズ型の選手を当てはめるなら、鳥栖の鎌田大地が相応しかったかもしれない。しかし、右サイド、左利き、という点を最重要視し野津田を選んだ。
野津田は出番を求めて、現在は広島から新潟にレンタルされている。まだ本領を発揮しているとは言い難く、代表での影響力も低下しているが、デビュー前後は“中田英寿2世”とも謳われた逸材だ。
マフレズがそうだったように、舞台やクラブが変わることによって何かのきっかけを掴めればいいのだが。
奥川 雅也(リーフェリンク)
左サイドには“古都のネイマール”こと、奥川雅也を配置する。
2014年のAFC U-19選手権で鮮烈なプレーを見せ、昨年5月にJ2・京都サンガでプロデビューを果たした奥川。ほどなくしてオーストリアの名門レッドブル・ザルツブルクに買われ欧州へ旅立った。
現在はザルツブルクのファームである2部のリーフェリンクに所属し、優先的に出場機会を与えられて経験を積んでいる。力強さやゴールに直結するプレーという面では課題が残るものの、個人で局面を突破できるスピードとテクニックは出色したものがある。
U-23の左サイドには中島を筆頭に、金森、豊川などもいるが、よりアタッカータイプということで選んだ。驚きの選択かもしれないが、素材的には現在のチームでも最上級であり、1996年生まれでなければ主力になっていた可能性は十分にあるだろう。
トゥーロンで一度見てみたいがどうであろうか。