J2の舞台でトップとなるボール支配率をマークするなど、攻撃的サッカーが持ち味のレノファ山口。
7月に入ってやや躓く機会も増えてきたが、それでもJ2初年度でこれだけやりたいことが明確なサッカーができているのは立派である。
7日の町田ゼルビア戦では流れるようなパスワークからゴールをこじ開けたそんな山口だが、それから一週間後に行われた清水エスパルスとのJ2第29節でも、自慢の崩しでゴールをあげた。
0-1とリードされ迎えた26分、福満隆貴、廣木雄とパスを繋ぐと、ボールはペナルティエリアの外側で待っていた三幸秀稔のもとへ。
どんな時でもオフザボールの動きが活発で、どこかで選手が動き出しているというのが山口だ。手前側のサイドの大外で福満が再び動き出しているのを見た三幸は、ルックアップするとここへパス。
そしてフリーになっていたになって福満はこれを折り返し、最後は中で待っていた島屋八徳が無人のゴールにボールを流しこんだ。
まるでメッシ、スアレス、ネイマールの3人が時折見せる、"感じ合っている”かのようなプレーだった。
清水としては福満をフリーにしたことが悔やまれるが、パスをしてはポジションを変えるという山口の選手をその都度掴まえるのは簡単ではない。清水のゴールマウスを守っていた植草裕樹としてもこれはノーチャンスであろう。結局試合は2-2のドローで終わっている。
第30節を前にして残留の目安と言われる勝ち点40をすでに突破している山口は、これからより思い切って戦えるはず。J1昇格プレーオフの出場権を諦るにはまだ早いだけに、今後の戦いぶりに期待だ。
山口は次節、2位につける松本山雅とアウェイで対戦する。