純粋な「黄金世代」の男

ユース時代にはこの年代でレギュラーとして活躍しながら、大きな大会でポジションを失ってしまったのがハリード・イーサである。

彼がどれだけUAE国内で高く評価されているか、それはキャリアを見るだけで分かる。アル・ジャジーラの下部組織で育成された彼は、まだクラブでポジションを掴んでいなかったにもかかわらず、アル・アインに引き抜かれたのだ。

その時のアル・ジャジーラのファーストキーパーはアリ・ハシーフ。つまり代表でもクラブでも彼のサブだったという珍しい立場だった。しかし、国内最高の名門クラブに移籍した彼はすぐさまレギュラーに定着し、その実力を見せつけた。

そしてついにフル代表でポジションを手にしたのは昨年だ。2015年に最も出場したのはマジード・ナースルではなく彼であり、プレーのレベルも高い。

アリ・ハシーフのように身長はないが、反射神経の鋭さに加えて足元が器用で、キレのあるセービングを見せる。なにより、ロンドン五輪の選手たちとは少年時代からずっとやってきている男なのだ。

つまりUAEはこのマジード・ナースル、アリ・ハシーフ、そしてハリード・イーサの3名がほぼ横並びの実力を持っているのだ。

今回第3ゴールキーパーとして呼ばれたのが、このところ親善試合で多く使われてきたアハマド・シャムビー(アル・ナスル)ではなく、バニ・ヤスのアハマド・マフムードだった。

この辺りはおそらく出てくる可能性は高くないが、詳しく紹介したUAEのゴールキーパー3人は誰が出てきたとしても大きな穴にはならない。むしろそのチャンスをものにしようと死に物狂いでやってくるはずだ。

今日は少なくとも、日本にとっては1点以上が必要だ。必ずゴールネットを揺らさなければならない。このゴールキーパーたちの壁を破らなければ、ロシア行きの夢は遠ざかってしまうだろう。

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