今季のナイジェリア・プレミアリーグは一種異様な雰囲気を醸し出している。
ナイジェリアの強豪クラブといえばカノ・ピラーズやエヌグ・レンジャース、エニンバ、ハートランドやサンシャイン・スターズ、シューティング・スターズなどという印象が強いはずだ。
ところが、今季の上位陣は非常に珍しいメンツになっている。
首位につけているのはまだリーグ優勝を経験したことがないウィッキ・トゥーリスト。そしてそれを追うのは今季ドルフィンズ+シャークスと「海鮮合併」で生まれた新生クラブ、リヴァーズ・ユナイテッドだ。イルカとサメなのに地域名でリヴァーズが付くことになったのは理解に苦しむが、強さは見せている。
そして3位には今ナイジェリアサッカー界で最も注目の富豪イフィーニイー・ユーバーが率いるイフィーニイー・ユーバーFCだ。強豪としての意地を見せるエヌグ・レンジャースは4位につける。
[Qoly] 謎が多い…あるクラブのオーナーがナイジェリア代表監督の給与を払うらしい https://t.co/NOLioEPhT7
— Qoly.jp(コリー) (@Qoly_jp) 2016年8月23日
その一方で危機的な低迷をしているのがウォリ・ウルヴズだ。現ナイジェリアサッカー連盟会長のアマジュ・ピニックが所有するクラブで、昨季は2位。優勝こそないが、近年は上位をキープし続けてきた。
ところが、今季は選手たちに対しての給与支払いが著しく遅れており、成績も低迷。7試合を残して18位と降格圏をさまよっているのだ。
そこで立ち上がったのが、ウォリ・ウルヴズのファンで企業の社長を務めているエディ・オグベムディア氏だった。彼は自身のツイッターで以下のように投稿した。
@Warri_Wolves_FC players I know no salaries for now, escape relegation & get #.05million from me and my family @sikiru16 @OgaNlaMedia
— Eddy Ogbemudia (@Donfiazo) 2016年8月29日
選手の給与が支払われていないことは理解しており、降格を避けることができれば5万ナイラ(およそ16945円)を提供すると宣言したのである。
決して極めて大きなお金というわけではないが、貧困に苦しむ選手には多少なりともモチベーションになるはず。
オグベムディア氏はそれに加えてシーズン終了時には選手の給与を支払うことをクラブに求め、政府や連盟にはさらなる経営の監視を要求している。