今季のナイジェリア・プレミアリーグは一種異様な雰囲気を醸し出している。

ナイジェリアの強豪クラブといえばカノ・ピラーズやエヌグ・レンジャース、エニンバ、ハートランドやサンシャイン・スターズ、シューティング・スターズなどという印象が強いはずだ。

ところが、今季の上位陣は非常に珍しいメンツになっている。

首位につけているのはまだリーグ優勝を経験したことがないウィッキ・トゥーリスト。そしてそれを追うのは今季ドルフィンズ+シャークスと「海鮮合併」で生まれた新生クラブ、リヴァーズ・ユナイテッドだ。イルカとサメなのに地域名でリヴァーズが付くことになったのは理解に苦しむが、強さは見せている。

そして3位には今ナイジェリアサッカー界で最も注目の富豪イフィーニイー・ユーバーが率いるイフィーニイー・ユーバーFCだ。強豪としての意地を見せるエヌグ・レンジャースは4位につける。

その一方で危機的な低迷をしているのがウォリ・ウルヴズだ。現ナイジェリアサッカー連盟会長のアマジュ・ピニックが所有するクラブで、昨季は2位。優勝こそないが、近年は上位をキープし続けてきた。

ところが、今季は選手たちに対しての給与支払いが著しく遅れており、成績も低迷。7試合を残して18位と降格圏をさまよっているのだ。

そこで立ち上がったのが、ウォリ・ウルヴズのファンで企業の社長を務めているエディ・オグベムディア氏だった。彼は自身のツイッターで以下のように投稿した。

選手の給与が支払われていないことは理解しており、降格を避けることができれば5万ナイラ(およそ16945円)を提供すると宣言したのである。

決して極めて大きなお金というわけではないが、貧困に苦しむ選手には多少なりともモチベーションになるはず。

オグベムディア氏はそれに加えてシーズン終了時には選手の給与を支払うことをクラブに求め、政府や連盟にはさらなる経営の監視を要求している。

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