しかし?

前述の2名はメディアで名前が上がっていたが、名古屋のクラブ幹部は「皆さんが名前を知っているような大物ではなく、日本に来たこともないと思う」と話しているようだ。

ということはだ。ル・グエンは2012年に親善試合で来日経験があるし、デュリックスはもちろん元Jリーガー、ダニエル・サンシェズもJで監督経験ありなので候補からは外れる。

現ヴァランシエンヌ監督ファルーク・ハジベギッチは、イヴィツァ・オシムの弟子筋でもあるため正直可能性があると思った(事実横浜F・マリノスはエリック・モンバエルツをル・アーヴルから引き抜いている)が、ボスニア・ヘルツェゴビナ人だ。

ここの監督経験者でビッグネーム以外という点では、ベルナール・カゾーニがロリアン、フィリップ・モンタニエがノッティンガム、ダニエル・バテッリがフランスU-20を率いているため、その可能性は低いと思われる。

かつてアンデルレヒトの監督も務めた指揮官アリエル・ジャコブスはベルギー人だ。現アシスタントのローラン・デュフレーヌはまだ監督の経験がない。

では、ヴァランシエンヌ関係者として可能性がありそうなのは?

ダヴィド・ル・フラッペル(マルセイユB監督)

選手としてはあまり大きな実績は持っておらず、指導者としてもまだ若い。2007年に引退後すぐにカルカソンヌの選手兼監督を務め、その後シャトールーでユースとリザーブを率いた。

2014年にヴァランシエンヌのU-19監督となり、昨年2月にトップチームに昇格。降格を避けることに成功したが、ライセンスの問題で後にユースへと戻っている。

ただ、その指導に対する評価は高い。その証拠に今季はマルセイユのリザーブに引き抜かれている。

ダニエル・ルクレルク(フリー)

ヴァランシエンヌの下部組織出身で、主にランスで活躍したDFだった。監督としても2003~2005年にヴァランシエンヌを率いて3部リーグを戦っていた人物である。

ランスでフロントを務めていたが、クラブが2部に降格した時にサッカー界から引退。アマチュアのクラブでディレクターを務めていたが、今年1月にヴァランシエンヌからの復帰要請を一旦受け入れており、コーチ業への意欲を持っていることを明かした。

なお、条件面での交渉で会長のエディ・ズジーシュとの関係がこじれたことから、復帰の話は決裂している。問題はやはり67歳という年齢だろうか?

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