類似点:中盤&サイドバック>前線

かつてサウジアラビアには素晴らしいエースストライカーがいた。古くはサミ・アル・ジャバー、もう少し新しくなればヤースル・アル・カフターニ、そして日本が悪夢を見せられたマレク・マーズである。

しかし、彼らが代表を離れてからというもの、ストライカーの人選には苦しんできた。その理由はクラシカルな点取り屋ナイフ・ハッザージが怪我で伸び悩み、スピードあるナースル・アル・シャムラーニがどうも代表に合わなかったからだ。かと言って国内リーグに90分頼れるFWは乏しい。

一方、オマーンもまさにFW不足の国だ。かつては「オマーンのファン・バステン」ことアマード・アル・ハースニに頼り切りで、彼がいなくなると点がなかなか決まらないのだ。そして、今回も彼はいない。

新たなエースと期待される左利きのアブドゥル・アジーズ・アル・マクバリは、技術、スピード、センスを兼ね備えるが、一方で得点能力が安定しない。

その反面、この2チームの強みは中盤とサイドバックだ。特に2列目にはタレントがおり、選手層も厚いため一人二人抜けたくらいで実力が落ちることはなく、ポゼッションサッカーに対応できる。

サイドバックはスピードと攻撃力、そして技術がある選手が多く、タッチライン際の追い越しからクロスやドリブル突破を仕掛けられる。

相手に主導権を握られれば押し込まれてしまう。そのようなシチュエーションの練習は間違いなくできるはずだ。

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