サポーターのパターン
日本にも「永久欠番」を持つサッカークラブは複数存在する。ただ、それらよりも馴染み深い“欠番”がJリーグでは定着している。そう、12番だ。
Jリーグの創設とともに広がったサポーターという存在。彼らの後押しに敬意や感謝を表し、現在ではほとんどのJクラブが「12番目の選手」、12番をサポーター番号として欠番にしている。唯一、12番以外をサポーター番号としているのが前述したサガン鳥栖だ。
なお、サポーター番号は日本だけではなく、欧州でも同様の理由で12番を欠番にしているクラブがある。小野伸二や宮市亮がプレーしたオランダのフェイエノールトなどはその代表的な存在だ。
ちょっと変わった背番号のパターン
やや規定の緩い中南米などでは特殊なものや大きな番号が永久欠番とされているケースがある(欠番にしなくてもほぼ誰も使用しない気もするが…)。
01番:ロジェリオ・セニ(サンパウロ)
世界屈指の「FK職人」と知られた元ブラジル代表GKロジェリオ・セニ。彼は20年以上所属した名門サンパウロでGKとしては歴代最多となる131ゴールを決め、ギネス記録にも認定された。
そんな彼が着用していたのは「01番」!サッカーの正GKは「1番」を着けるのが通例となっているが、そんじょそこらのFW以上に高い得点力を誇った彼は、フィールドプレイヤーのエースナンバーである10番を逆さにして「01番」にしてしまったのだ。
意外にも使い始めたのは2007年とキャリアの晩年であり、契約していたリーボックのマーケティング目的でもあったのだとか。それでもこのアイディアが、彼を「ナンバーワン」にして「オンリーワン」な存在にするのに役立ったことは間違いない。
110番:アンドレス・チティバ(パチューカ)
小柄ながら左利きらしい感性と高いテクニック、機敏さが魅力だったコロンビア人MFのチティバ。代表には定着できなかったが、メキシコの地で長く活躍した。
なかでもパチューカ時代には国内外で数多くのタイトルを獲得し、同国最古と言われるクラブに黄金期をもたらしたことで象徴あるいはアイドル的な存在となっている。
彼は2008年に一度クラブを退団したが、引退直前の2011年に復帰。この時クラブはちょうど創設110周年を迎えていたため、彼は最後の試合に「110番」のユニフォームを着て出場した。110番を着用したのはその時の8分間だけだったが、クラブは彼の偉業に敬意を表し永久欠番としたようだ。