スーパースターのパターン

サッカー界にその名を刻むレジェンドたちの永久番号はまさに彼ら自身を象徴するようなものだ。インテルの4番といえばサネッティであるし、ナポリの10番といえばマラドーナ以外は考えられないだろう。そして、クライフの14番。非固定制だった当時、彼はそれまで9番を着けることが多かった。だが、ある試合で背番号をなくした同僚に9番を渡し、その代わりに手にとってのがたまたま14番だったそう。

4番:ハビエル・サネッティ(インテル)
6番:ボビー・ムーア(ウェストハム)
6番:フランコ・バレージ(ミラン)
10番:ディエゴ・マラドーナ(ナポリ)
10番:フェレンツ・プスカシュ(ブダペシュト・ホンヴェード)
14番:クライフ(アヤックス)
など

そのなかで、プレミアリーグでの永久欠番は珍しい。ボビー・ムーアはイングランドにとってそれほど偉大なのだ。

イングランド代表のキャプテンとして、1966年W杯優勝に貢献するなど伝説的ディフェンダーだったムーア。彼は、そのキャリアのほとんどをウェストハムに捧げた。弱冠17歳でハマーズにデビューすると、その後の15年間で544試合に出場。フィジカルに長けたハードタックラーであり、跳躍も高かった。スピードはさほどあるわけではなかったが、天才的な“読み”を持ったDFとして無敵を誇った。

1993年に癌のため51歳で死去。ムーアのハマーズデビューから50年となった2008年にウェストハムは彼が背負った6番を欠番にすることを決めた。ちなみに、当時6番を着けていたマシュー・アップソンは15番に変更となった。

ただ、フットボール史上最高の選手といえるメッシとクリスティアーノ・ロナウドの2人は永久欠番にはならないだろう。リーガ・エスパニョーラはトップチームの選手が着けられる番号が1~25番までと決まっており、永久欠番とすることが原則的に不可能なのだ。

彼らの後を継ぐ次の10番、次の7番が誰になるのかが、楽しみではあるが…。

【次ページ】その5