国際プロサッカー選手協会(FIFPro)は、11月末に世界規模のプロサッカー選手雇用調査の結果を発表した。

調査についてはマンチェスター大学の独立したチームが担当。54カ国、87のリーグでプレーする1万4000人の選手に対してアンケートが行われている。

給与、契約、移籍、練習、八百長、暴力や差別、雇用保障、健康、幸福感、教育など23の質問による回答が集計された。

こちらではFIFProが抜粋した幾つかのトピックスをお伝えする。

サッカー選手は特権的な生活を送ってはいない

・45%以上のサッカー選手が月1000ドル(およそ11.24万円)以下しか受け取っていない。最も割合が多いのは1000~2000ドル(およそ11~22万円)の報酬を受け取っている者である

・大きな報酬を受けているのは僅かである。年俸72万ドル(およそ8100万円)以上を受け取っているのはわずか2%である

・選手の41%が過去2年間に1~3ヶ月間の給与未払いを経験している

・6%以上の選手が『単独での練習を命ぜられ、契約解除、あるいは契約更新を強いられたことがある』と回答した

・違約金を伴う移籍を経験した選手の29%が、『求めたチームに行けなかった』あるいは『他のクラブに参加しろと圧力を受けた』と回答している

・選手の7%、30代の選手に限れば11%が『直接的に八百長の誘いを受けた事がある』と回答した

詳しい内容については発表されたPDFの書類に書かれているのでそちらを参照してほしい。

サッカー界の報道においては一部のスーパースターばかりに注目が集まるが、ほとんどの選手は通常の労働者よりも厳しい環境で戦っている。

そこに必要なのは、恵まれないサッカー選手という存在をスポーツや協会批判の道具にしたり、哀れんだりすることではない。彼らにリスペクトの念を持ちつつ、ともにその改善の方法を探っていくことである。

メディアにもその姿勢こそが求められてくるはずだ。今後J3やJFLの存在が重要になる日本でも、「惨めなJリーガー」と主張してサッカー自体を貶そうとする論調には気をつけたい。

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