オデッサ

ウクライナ1部のチョルノモレツ・オデッサ。「黒海艦隊」に由来するチョルノモレツ(ラテン文字表記の「Chernomorets」にならってチェルノモレツと呼ばれることも)という名称で知られるクラブだが、今回大事なのはオデッサのほうだ。この地名をスルーできるガンダム好きはまずいない。

オデッサはウクライナの南部、黒海に面した港湾都市。昔から海上の要衝として知られ、巨大な貿易港は自由経済で大いに繁栄した。

その北に位置するオデッサ鉱山基地をジオン軍が制圧したのは、開戦から2か月後、宇宙世紀0079の3月のこと。そして、戦略的にも重要な拠点である彼の地を奪還すべく同年11月に敢行されたのが、一年戦争における地上最大の戦いといわれるオデッサ作戦である。

結果は地球連邦軍の勝利に終わり、戦争の転換点となったともいわれる。その一方で、ホワイトベース隊は作戦直前に黒い三連星と交戦し、これを撃退したもののマチルダ中尉の戦死という悲劇を生んだ。本当に哀しい…。

そんなオデッサをホームとするチョルノモレツは国内でも中堅といえる存在だ。1986年のバロンドール受賞者であるイーゴリ・ベラノフ、最近でもアンドレイ・ヴォロニンといったスター選手を地元から輩出しており、今季のリーグ戦では17節終了時点で6位につけている。

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