サッカーの価値を守ろう
サッカー界はグローバルな業界である。巨大なマーケットを有し、世界に最も影響力のあるスポーツとして、社会的な責任も担っている。しかし、今日(こんにち)、サッカーとは直接の関係を持たない多くのことに関与しすぎではないかとも感じる。
サッカーを語るこの場において、政策の是非について述べるつもりはない。しかし、代表チームやクラブを応援するファン、サポーターの生活環境は千差万別であり、彼らはそれぞれ異なる意見を持っている。難民の受け入れは議論の余地がある、極めて政治的な問題だったはずだ。
近年、スタジアム内の横断幕やフラッグに関し、政治的な主張の排除が進んでいるが、その一方でリーグやクラブが影響力の大きいサッカーというスポーツを利用し、ある一方の考え方に過度に加担するのは、公平性を無視した、ファンへの裏切り行為とも言える。
FIFAは規約で、サッカー界への政治の介入を固く禁じており、もしそれを犯せば、どんな大国であっても厳正なる処分を受ける。であるならば、メディアを含めたサッカー界もまた、政治への介入に慎重に、もっと謙虚になるべきではないだろうか。
それこそが、われわれが愛するサッカーというスポーツの価値を守る「最善にしてほとんど唯一の方法」ではないかと私は考えている。
読者の皆さんはいかがであろうか。
Qoly編集長 林慎介