明治安田生命J1リーグ第8節、浦和レッズ対清水エスパルスは、前半戦を優位に進めた浦和が2点リードを奪い、後半戦に持ち返してきた清水の追撃をかわす展開で終わった。

この試合は、前半と後半で全く異なった状況となり、その理由を考察するのも面白いゲームであったが、それよりも印象に強く残ったのが興梠慎三のパフォーマンスであった。

日本を代表するスコアラーは2ゴール全てを生み出し、いずれもヘディングでの得点。

決して上背があるわけではない彼が、高身長の選手が並ぶ清水DF陣を相手に奪ったそれは非常に興味深いもので、高さを持ち味としていないストライカーにとってはまさに「参考書」とも呼べるべきエッセンスが詰まっていた。

今回はその中から二点目を取り上げ、そのゴールが生まれたプロセスを「動き出しの質」という点に焦点を当て、図解しながら分析してみようと思う。