前述の表(チーム名の右)に現在の順位を記したが、特徴的なグループを四種類で分けると以下のようになった。
▼走行距離も実際の順位も上位
北海道コンサドーレ札幌
▼走行距離も実際の順位も下位
サガン鳥栖、鹿島アントラーズ
▼走行距離は下位だが実際の順位は上位
FC東京、川崎フロンターレ、ジュビロ磐田
▼走行距離は上位だが実際の順位は下位
横浜F・マリノス、V・ファーレン長崎、湘南ベルマーレ、名古屋グランパス
まだまだシーズン序盤で勝点が均衡しているため、グループ分け自体が難しいところであるが、今季も例年通り、「走行距離が長い=実際の順位も上」という等式が成り立っていないことがわかる。
また、同じグループ内を見渡しても各チームで状況が異なる印象だ。
例えば、「走行距離は上位だが実際の順位は下位」のグループに属する、長崎と湘南。この両チームは、そのチームスタイル通りの走行距離を計測しているものの、勝ち切れない試合が多いために勝点が伸びていないというのが実情だろうが、横浜と名古屋は状況は異なる。
GK飯倉大樹の前代未聞と言える高いポジショニングにより、チーム全体の走行距離が引っ張られている感のある横浜だが、ここまで高数値を叩き出している理由はそこだけではなく、相手チームにカウンターを仕掛けられる回数が多い点も大きな影響が与えているだろう。具体的に言えば、オフサイドトラップを取り損ねなどでDFラインの裏を突かれ、全力で守備ラインを下げるようなケースだ。
また、その例で言えば、名古屋も近い。彼らは特に守備時に後手を踏むシチュエーションが多く、相手チームに「走らせている」時間帯が多い印象が強いはずだ。そして、それが結果的に走行距離の上昇に繋がっていると考えるのが賢明だろう。
だが、その一方で自らのサッカースタイルと走行距離が結びつき、なおかつ好成績を収めているチームも存在する。能動的にボールを走らせ、効果的なポジショニングと組織的な連動で現在4位につける川崎フロンターレだ。
彼らは昨季はチーム走行距離においては下位に低迷し続けたが、リーグ戦では最終節に逆転優勝を飾ったのは周知の通りだ。
果たして今後はその顔ぶれに変化は生まれてくるのだろうか…。
またどこかの折で検証してみたい。